Go to contents

実現しなかった韓中首脳会談、関係改善の動力を失ってはならない

実現しなかった韓中首脳会談、関係改善の動力を失ってはならない

Posted November. 20, 2023 08:36,   

Updated November. 20, 2023 08:36

한국어

米サンフランシスコで開かれたアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議を機に開催されるかどうか注目を集めていた韓中首脳会談は実現しなかった。政府がAPEC閉会前日まで「議論中」と日程を調整したが、中国政府が応答しなかったという。尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領と中国の習近平国家主席は、会議場で3分ほど立ったまま原則的な挨拶を交わしただけだった。

中国はAPEC期間中、米国、日本とは首脳会談を行い、結果的に域内の主要国の中で韓国だけを除外した形となった。ブルネイ、フィジーなどとも首脳会談を行ったが、韓国は対象国のリストになかった。両国関係改善の動力が低下したのではないかと指摘され、年末の開催が見込まれていた日中韓首脳会談も遅れるムードだ。3ヵ国の首脳会談で突破口を開いた後、来年、習氏の訪韓と両国首脳会談を連鎖的に実現させようとした政府の計画にも支障が避けられない。

対立を続けてきた韓中関係は、政府が下半期に対中外交に力を入れ始め、回復への期待感が高まっていたのが事実だ。韓米同盟の強化と韓米日3ヵ国の協力がある程度軌道に乗ったので、今度は中国に気を配るべきだという世論も高まった。韓悳洙(ハン・ドクス)首相が9月、杭州アジア大会の開幕式の出席を機に習氏と会談し、習氏が先に「訪韓を真剣に検討する」と述べた。両国の高官級会談が続き、弾みがついた協力議論が再び沈静化するようなムードは懸念される。

中国が対外的には米中間の戦略競争、内部的には景気低迷への対応などで外交余力が減少している状況であるのは確かだ。だからといって、韓半島問題を後回しにできる状況でもない。北朝鮮は、ロシアの技術支援を受け、遅くとも今月末には偵察衛星の再打ち上げに乗り出すと、軍当局は見ている。鉱物供給網の確保をはじめとする経済問題も容易くない。

中国は、このような両国の問題をめぐって実質的な成果を出せるよう韓国との首脳会談をはじめ協力協議に誠意を見せなければならない。韓国も、両国が実利と大義名分を共に手に入れる議題を精緻化することに集中する必要がある。26日に予定されている日中韓外相会議を弾みをつける機会として活用できるだろう。