21歳のドライバー、イ・チャンジュン(エクスタ・レーシングチーム)は5日に閉会した2023スーパーレース選手権で、スーパー6000部門歴代最年少でシーズンチャンピオンになった。2018年にキム・ジョンギョム(アトラスBXモータースポーツ)が27歳でシーズンチャンピオンになったのが従来の最年少記録だった。
国内最大のモータースポーツリーグであるスーパーレースチャンピオンシップは、大きく最上位クラスのスーパー6000と下位レベルのGT(Grand Touring)クラスに分けられる。一般的にはGTクラスで磨きをかけた後、スーパー6000でも5年程度の経験を積んでこそ、トップクラスのドライバーに成長する。イ・チャンジュンが今年樹立した最年少優勝記録は当分破られないだろうという評価が出ている理由だ。
8日、京畿道龍仁市(キョンギド・ヨンインシ)のチームキャンプで取材に応じたイ・チャンジュンは、「子供の頃からシーズン優勝を夢見ていたが、最年少で達成できて感激している。これまでいくつかの大会で優勝したが、シーズン優勝は1年間着実に頑張ってこそ可能なので、喜びは数倍になる」と話した。
イ・チャンジュンがレーシングと初めて縁を結んだのは6歳だった2008年のこと。自動車マニアの父に連れられてレーシングカートに乗りに行ってすっかり運転にはまった。そして2009年、コリアカートチャンピオンシップ・ジュニア部に初出場して1位になった。同大会は7歳から参加できる。イ・チャンジュンは2018年まで同大会で2013年1年を除いては毎年頂点に立った。2019年には日本スーパー・フォーミュラ・ジュニア(S-FJ)の舞台に留学した。
イ・チャンジュンは高校3年生だった2020年、スーパー6000にデビューした。当時18歳165日で、やはり最年少デビューだった。GTクラスは飛ばしてすぐにスーパー6000の舞台を踏んだ。イ・チャンジュンはその時、一般道路で車を運転できる運転免許証も持っていなかった。イ・チャンジュンは大学修学能力試験(修能=日本のセンター試験に相当)を受けるため、第7、第8ラウンドを欠場したものの、全ドライバー25人のうち19位でシーズンを終えた。大学新入生だった2021年には5位、昨年は4位に順位を上げ、ついに今年は国内最高ドライバーになった。
イ・チャンジュンは、「第1ラウンド優勝を逃して翌日開かれた第2ラウンドで直ちに優勝した後『今年は何かやり遂げられる』という手応えを感じた。1学期の時は学校にずっと通っていたが、2学期の時休学をした。今シーズンが終われば入隊するという計画まで立てて背水の陣を敷いたが、志を成した」と笑った。イ・チャンジュンは13日、陸軍訓練所に入所した。特技を生かして運転兵として服務する。イ・チャンジュンは、「当分サーキットは見たくないほど今年すべてを注ぎ込んだ。だから入隊を決めたことに悔いはない」と話した。
イ・チャンジュンは同い年のチームメイトのイ・チャンウクと「最年少シーズン優勝者」タイトルをめぐってシーズン終盤まで争った。全8ラウンドのうち、イ・チャンジュンが第2、第3、第6ラウンドを、イ・チャンウクが第1、第4、第7ラウンドをものにした。イ・チャンジュン(132点)が8ラウンド合計ランキングポイントで上回り、イ・チャンウク(123点)を2位に押し出した。30、40代のドライバーが多いサーキットで21歳のドライバー2人がシーズンをリードした姿も前例のないことだ。イ・チャンジュンは「チャンウクには『私が(軍隊に行って)いない間にたくさん優勝すればいい』と励ましてあげた」と笑った。
金培中 wanted@donga.com