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北朝鮮が「休戦ラインに武力前進配備」と恫喝、軍は断固として節制された対応をすべきだ

北朝鮮が「休戦ラインに武力前進配備」と恫喝、軍は断固として節制された対応をすべきだ

Posted November. 24, 2023 08:05,   

Updated November. 24, 2023 08:05

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北朝鮮が23日、「2018年の南北軍事合意に拘束されない」とし、「陸海空すべての空間で衝突防止のために取った軍事的措置を撤回する」と明らかにした。軍事境界線(MDL)地域に「強力な武力と新型軍事装備」を前進配備するとも述べた。北朝鮮の軍事偵察衛星の打ち上げを受けて韓国軍が南北軍事合意の一部効力を停止すると、事実上、全面破棄で対抗したのだ。これに対し、申源湜(シン・ウォンシク)国防部長官は、「北朝鮮の挑発には直ちに強力に最後まで報復する」と述べた。

北朝鮮の南北軍事合意措置の全面撤回は、これまでの好戦的な行動から見れば十分に予想された反発だ。北朝鮮は直ちに休戦ライン近くに武力と装備を前進配備すると言ったが、それだけではないだろう。南北軍事合意により禁止されたMDL付近での砲射撃や機動訓練、最前方の監視所(GP)の再構築だけでなく、無人機の侵入や海上・水中での巧妙な挑発で韓国軍の対応を試す可能性もある。北朝鮮は23日、「南北軍事合意が上辺だけのものになったのは、韓国側の挑発的策動のため」とし、それによって衝突事態が発生すれば、完全に韓国側の責任になるとも脅した。

北朝鮮のこのような態度は、すでに核・ミサイルで武装しているため、在来式の挑発に韓国軍が萎縮して適切に対応できないという、いわゆる「核の影」効果を狙ったものだ。しかし、そのような脅しは簡単には通用しないだろう。韓米同盟の核の抑止力が機能しており、通常戦力では韓国がはるかに優れているため、安易に挑発を仕掛けることはできない。韓国軍は断固たる対応姿勢を見せなければならない。ただ、南北間の軍事的緊張と偶発的な衝突の可能性も高いため、即応態勢を整えつつも、拡大戦にならないよう節制しながら水位を調節するバランスの取れた対応が必要だ。

北朝鮮の突拍子もない挑発に南北軍事合意も、数多くの南北合意書のように歴史の倉庫にしまうことになった。南北軍事合意は、韓国に一方的に不利に傾いた合意だったという軍の声にもかかわらず、過去5年間、南北間の正面衝突を防ぐ最小限の安全弁としての役割を果たしたことも否定できない。軍事力は平和を守る手段である。緊張緩和と衝突防止のための基本的な約束すら守られない昨今の現実では、韓国軍は強力な力で持続可能な平和を作り出さなければならない。わずかの隙もなく、揺るぎない対応で軍の真の力を示す時だ。