仮想通貨取引所FTXの創業者から詐欺犯罪者に転落したサム・バンクマンフリード(31)が、拘置所で「サバ漬け」を通貨のように使用していることが分かった。バンクマンフリードは保釈されたが、裁判関連証人を威嚇した容疑で8月から収監中だ。
23日(現地時間)、米紙ウォールストリートジャーナルは、米ニューヨークのブルックリン・メトロポリタン拘置所に収監されているバンクマンフリードは、ベジタリアンであるにもかかわらず、拘置所の売店でサバ漬けのパックを買い入れていると報じた。2004年、矯正当局が収監者の喫煙を禁止して以来、刑務所内でサバ漬けがタバコに代わって通貨のように通用しているためだ。
本来、サバ漬けのパックは収監者に人気のない食べ物だった。価格は1パック当たり1ドル程度で、1人当たり1週間に14個ずつしか購入できない。流通される量が決まっているため、通貨としての安定性が認められたという。
バンクマンフリードは、詐欺や共謀、マネーロンダリングなど7つの容疑に対して有罪判決を受けた2日、裁判直前にも同僚の服役者にサバ漬けパックを渡し、髪を切ったと同紙は伝えた。
現在、バンクマンフリードは、麻薬と武器密売の容疑で起訴された元ホンジュラス大統領のフアン・オルランド・エルナンデスと同じ部屋を使っている。また、メキシコの麻薬組織シナロア・カルテルが、米国にコカイン50トンを搬入するのを助けたメキシコのヘナロ・ガルシア・ルナ元安全保障長官とも一緒に収監されている。同紙は、「バンクマンフリードは、彼らから拘置所における経済を学んだ」と伝えた。
バンクマンフリードは、週に一度弁護士ではなく一般訪問客の面会ができ、法律資料だけを検討できるノートパソコンも利用していると知られている。同紙によると、バンクマンフリードは、拘置所の刑務官に仮想通貨に関する情報を与えたりもすると伝えた。
彼は、1審判決が下される来年3月28日以降、連邦刑務所に移監される予定だ。有罪の判決が下された有名人たちに対し収監生活を助言するビル・バローニ弁護士は、「サバ通貨は、仮想通貨よりはるかに安定的だ」とし、「バンクマンフリードは、移管される時にサバ通貨を持って行くだろう」と同紙に話した。バンクマンフリードに適用された7つの容疑が全て認められ、最高刑が判決されれば、最大115年の懲役刑を受けることができる。
イ・ギウク記者 71wook@donga.com