北朝鮮が2018年の南北軍事合意の全面破棄を宣言して復元した非武装地帯(DMZ)内の監視所11ヵ所のうち10ヵ所が、韓国側の監視所から1キロ以内の距離にあることが分かった。北朝鮮の監視所復元と兵力・重火器投入に対抗して、韓国軍も監視所を復元し、兵力・重火器を投入する計画だ。軍当局は、監視所復元時に予想される北朝鮮の挑発への対応を集中点検している。韓国と北朝鮮の監視所22ヵ所のうち3ヵ所は、南北間の距離がライフルの有効射程内の580メートルと近接し、韓国軍の復元措置で、北朝鮮が局地的な挑発に出る可能性があると判断している。
軍消息筋によると、韓国軍は組立式監視所など監視所の臨時施設と装備だけでなく、機関銃K6など搬入する重火器をすべて準備した状態で復元を開始する時期を調整している。北朝鮮がコンクリートを打設して監視所の完全復元に乗り出したのではなく、木材での仮復元であるため、復元の水準をもう少し見る方針だという。実際、北朝鮮が復元中の監視所11ヵ所と韓国監視所11ヵ所の距離は、1ヵ所(1060メートル)を除いてすべて1キロ以内で、北朝鮮軍が無反動銃など重火器で銃撃を行う場合、多くの死傷者が発生し、武力衝突がDMZ外まで拡大する可能性もある。
申源湜(シン・ウォンシク)国防部長官は28日、全軍主要指揮官会議を開き、韓国軍が対応措置を直ちに行えるよう準備を指示した。韓国側監視所の実際の復元時期について、軍関係者は、「北朝鮮の復元の速度などを見ながら、最も効果的な行動開始時期を決定する」と述べた。
北朝鮮軍が、板門店(パンムンジョム)共同警備区域(JSA)で先週から拳銃を携帯するなど再武装に乗り出したことと関連し、軍関係者は、「韓米情報当局は北朝鮮の活動を注視し、対応措置を検討している」と明らかにした。
孫孝珠 hjson@donga.com