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「国政刷新」の意志の薄い尹大統領の6人の長官交代

「国政刷新」の意志の薄い尹大統領の6人の長官交代

Posted December. 05, 2023 08:58,   

Updated December. 05, 2023 08:58

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尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は、企画財政部を含む6省庁の長官を交代するなど、大幅な内閣改造に踏み切った。企画財政部兼副総理候補者に崔相穆(チェ・サンモク)前大統領経済首席秘書官を指名するなど国土交通、農林畜産食品、海洋水産、中小ベンチャー企業、国家報勲部長官を交代した。秋慶鎬(チュ・ギョンホ)や元喜龍(ウォン・ヒリョン)など前現職議員4人を含め、総選挙への出馬が予想される長官の空席に、官僚・学者の専門家を起用した。内定した6人のうち3人が女性であることが目立つ。

今回の内閣改造は、長官の総選挙出馬の要因もあったが、事実上尹錫悦政府の第2期であるだけに、果敢な人事刷新に対する期待が高かったが、無難な人事起用による安定型内閣に重点が置かれているという評価だ。直前の龍山(ヨンサン)大統領室参謀陣の改造に続き、今回の内閣改造も国政刷新の意志は明らかになっていない。

尹大統領は、政権党の乱脈や釜山(プサン)万博招致失敗で明るみになった報告体系の問題点に背を向けた民心を体感しているだろう。しかし、30%台半ばに固着した国政支持率を克服する方法として、長官発のリスク管理だけにこだわったという指摘だ。ただ、ソオナム(ソウル大学出身の50代男性)という新造語に盛り込まれた「人材プールが狭い」という批判は避けようとする努力がうかがえる。6人のうち、ソウル大学出身は崔経済副首相候補者1人だけで、海水部長官候補になった康徒衡(カン・ドヒョン)韓国海洋科学技術院長は1970年代生まれだ。

昨日の内閣改造で発足した第2期経済チームは、難題が山積している。今年の59兆ウォンに続き、来年も数十兆ウォンが不足する税収、金利高・物価高が続くL字型内需低迷が、2期目の経済チームを待っている。国土部長官候補者は、大統領が約束した任期内での270万戸の住宅供給という課題を解決しなければならない。さらに利害関係が絡まっている年金・労働および規制改革の火種を再燃させざるを得ない課題もやはり置かれている。どれ一つ解決するのは難しく、国会で法改正が必要なものが多く、与野党の協議以外は解決策を見出すことが難しい。

昨日の人事で、内閣の政治色は薄くなっている。江西区(カンソグ)区長選挙の惨敗の前に行った申源湜(シン・ウォンシク)、柳仁村(ユ・インチョン)、金杏(キム・ヘン)の対決的な3人を起用した3ヵ月前とは人事色彩が変わっている。年末には出馬の可能性が高くなっている韓東勳(ハン・ドンフン)法務部長官を含む第2次内閣改造が予想される。国家情報院長や放送通信委員長の空席も埋めることになる。国政の包括的責任を負うという心構えで、「長官は戦うためにその場にいる」という大統領の指針は撤回しなければならない。先週改造された大統領室と新内閣は、国会とともに成果を出す努力を怠ってはならない。