尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が6日、最大野党「共に民主党」の弾劾推進で1日に辞任した李東官(イ・ドングァン)前放送通信委員長の後任に金洪一(キム・ホンイル)国民権益委員長(写真)を指名した。任期3年の権益委員長に就任して5ヵ月で放送通信政策のトップに指名されたのだ。李氏が辞任した5日後に後任を迅速に指名し、放送メディア政策の空白を最小限に抑えるというのが大統領室の考えだ。しかし、野党が「検察出身者による2次放送掌握」として「任命撤回」を求めるなど激しく反発し、今後の人事聴聞会の日程などをめぐって激しい与野党の対立が予想される。
金大棋(キム・テギ)大統領秘書室長は6日、龍山(ヨンサン)大統領室で、金候補の指名を発表し、「偏りのないバランスの取れた感覚で放送通信委員会の独立性と公正性を守る適任者」と明らかにした。金候補は、「手続きを経て任命されれば、国民に信頼され、愛される公正で独立した放送・通信になるよう最善を尽くす」と述べた。金候補は、総選挙出馬が有力な韓東勲(ハン・ドンフン)法務部長官の後任として検討されていたが、李氏の辞任で放送通信委員会トップの候補に緊急投入された。大統領室関係者は、「国会の聴聞会、山積している放送通信委員会の業務・懸案を考慮すると、尹大統領は放送通信委員会を1日も空けることができないという立場」と話した。大検察庁中央捜査部長を務めた特捜通検事出身の金候補は、2010年に大検察庁中央捜査第2課長だった尹大統領の直属の上司だった。
「共に民主党」の権七勝(クォン・チルスン)首席報道官は、「金候補は尹大統領を筆頭にした検察版ハナ会の先輩」とし、「放送・通信のキャリアや専門性が全くない『特捜通検事』がどうやってメディア産業の未来を率いるのか。権益委員長に任命されて半年で席を移すのも常識的ではない」と批判した。これに先立ち同党は、「第2、第3の李東官も弾劾する」と主張した。与党「国民の力」は、「公共放送の正常化に向けて、今回だけは民主党の大局的な協力をお願いしたい」と要請した。
一方、2030年国際博覧会(万博)釜山(プサン)誘致の失敗の余波で進められている外交・安保ラインの連鎖異動と関連して、趙太庸(チョ・テヨン)国家安保室長が後任の国家情報院長に、李容濬(イ・ヨンジュン)世宗(セジョン)研究所理事長と趙兌烈(チョ・テヨル)元国連大使は国家安保室長と外交部長官の後任にそれぞれ有力視されている。総選挙出馬の可能性が高まった方文圭(パン・ムンギュ)産業通商資源部長官の後任には、安徳根(アン・ドククン)通商交渉本部長が有力視されている。李正植(イ・ジョンシク)雇用労働部長官は留任の可能性が高いと伝えられている。国家報勲部次官には第2次延坪(ヨンピョン)海戦勝利の立役者であるイ・ヒワン海軍大領が、教育部次官には呉碩煥(オ・ソクファン)大統領教育秘書官がそれぞれ内定した。
全主榮 aimhigh@donga.com