政府が「キラー(超高難易度)問題」をなくすことにして、初めて行われた2024年度大学修学能力試験(修能)は、国語・数学・英語領域の体感難易度がすべて昨年より高く、過去最高の「火修能(非常に難しい修能)」だったことが分かった。出題当局は「キラー問題」の代わりに様々なタイプの難問が出題され、上位圏の弁別力を高めた結果だと分析した。しかし、一部では依然として受験生を苦しめるキラー問題が出題されたと主張し、論争は当分続くものとみられる。
韓国教育課程評価院は7日、先月16日に実施された24年度修能の採点結果を発表した。領域別標準点数の最高点は国語150点、数学148点で、国語が2点高かった。昨年は国語134点、数学145点で数学が11点高かった。
特に国語は平易だった昨年より体感難易度が大きく上がった。国語の標準点数の最高点は、19年(150点)とともに現行の入試制度が導入された05年度以降、最も高かった。標準点数は、個人の点数が受験生全体の平均とどの程度差があるかを示す点数だ。試験が難しく平均が低ければ、標準点数の最高点が上がる。通常、標準点数の最高点が140点以上なら難しかったと入試業界は評価する。
絶対評価で行われる英語の場合、1等級(原点数90点以上)は全体の受験生のうち4.71%(2万843人)で、昨年の7.83%(3万4830人)より約1万4千人減少した。絶対評価が導入された18年度以降、最も低い水準だ。受験生のAさんは、「キラー問題がないと言われたが、キラー修能だった」と話した。入試業界では、昨年より国語と英語の点数が大学入試の合否に及ぼす影響が大きくなり、数学の比重は小さくなると予想している。随時募集で修能の最低等級に届かず脱落する受験生が続出するとの見通しも出ている。
教育界では、政府の「キラー問題排除」方針が今年の修能の受験生が体感する難易度を高めたと分析している。尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は6月、「修能から教育課程外のキラー問題を排除せよ」と指示した。しかし、受験生たちはこれを「簡単な修能」と受け止め、入試の難易度が低くなると予想していたということだ。しかし、弁別力確保のためにキラー問題並みの難易度の高い問題が出題され、正解と紛らわしい選択肢が配置されたことで多くの受験生が戸惑ったと、入試専門家は分析する。教育部の沈珉徹(シム・ミンチョル)人材政策企画官は、「キラー問題の排除だけでも、公教育に対する信頼を回復するきっかけになった」と述べた。
過去最高の「火修能」で、全領域満点者は1人にとどまった。龍仁(ヨンイン)韓国外国語大学校付設高校を卒業した女子学生だという。この学生は科学2科目を選択した自然系志望者。修能満点者は14年度には33人出たこともあるが、文・理系統合修能が導入された22年度は1人、昨年は3人にとどまった。
朴星民 min@donga.com