曺喜大(チョ・ヒデ)大法院長(最高裁判所長官)候補の任命同意案が8日、国会を通過した。尹錫悦(ユン・ソクヨル)政府になって20人の人事聴聞会対象の候補が、与野党の対立で人事聴聞経過報告書を採択せずに任命されたが、曺氏に対する人事聴聞経過報告書は同日、与野党の全会一致で採択された。事実上、尹政府で与野党間で異論なく任命された最初のケースに挙げられる。尹大統領は同日午後、曺氏に任命状を授与した。政界では、「尹大統領が野党も受け入れられるような適切な人物を指名すれば、与野党の合意を得ることができることを示した」と評価されている。これにより、今年9月24日の金命洙(キム・ミョンス)大法院長の退任から75日ぶりに司法部トップの空白状態が解消された。
国会は同日、本会議を開き、在籍議員292人のうち賛成264、反対18、棄権10で曺氏に対する任命同意案を可決した。与党「国民の力」(111議席)だけでなく、最大野党「共に民主党」(167議席)も賛成票を投じた。大法院長任命同意案の可決には、在席議員の過半数が出席し、出席議員の過半数の賛成が必要だ。これに先立ち、李均龍(イ・ギュンヨン)大法院長候補は、非上場株の財産申告漏れなど資質論議が浮上し、35年ぶりに大法院長任命同意案が本会議で否決された。
国会人事聴聞特別委員会は、本会議に先立ち、曺氏の聴聞報告書を委員13人の全会一致で通過させた。特委は報告書に、「曺氏は、高位公職候補によく見られる道徳性などの問題提起がほとんどなかった」とし、「裁判遅延問題、令状乱発問題の解決など司法改革に対するビジョンと具体的な方策を持っている」と指摘した。
「共に民主党」関係者は、「特に反対する理由がなく、司法部トップの空白長期化に対する責任論の浮上も負担になることを考慮した」と述べた。「国民の力」の尹在玉(ユン・ジェオク)院内代表は、大法院長候補任命同意案の採決について「大法院長の空白が長期化したが、今日承認採決をすることになったことは、時機を逸したものの、幸いだ」と述べた。
曺氏が人事聴聞会で、裁判問題の遅延解決、条件付き拘束令状制度及び家宅捜索令状の事前審問制度の導入検討の意向を明らかにしたことから、司法改革に拍車がかかるとみられる。曺氏は同日、任命同意案通過後、「謙虚な姿勢で最善を尽くして国民に奉仕する」とし、「裁判と司法行政の両方が法と原則に則って迅速かつ公正に行われるよう努力する」と述べた。
鄭盛澤 neone@donga.com