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議員懲戒案52件をつぶした国会、信頼度最下位にはわけがある

議員懲戒案52件をつぶした国会、信頼度最下位にはわけがある

Posted December. 09, 2023 09:23,   

Updated December. 09, 2023 09:23

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第21代国会が年末で業務を終え、倫理特別委員会(倫理特委)に積まれている国会議員懲戒案53件のうち、すでに処理した1件を除いた52件が全て廃棄される羽目になった。52件中3件は国会倫理審査諮問委が「議員職除名」を建議した重大事案だ。仮想通貨取引の金南局(キム・ナムグク)議員、正義記憶連帯後援金横領の尹美香(ユン・ミヒャン)議員、被監査機関から家族会社が受注した朴德欽(パク・ドクフム)議員の3人が対象だ。

この他に「いっそ舌を噛んで死んだら」(権成東議員)、「清潭洞(チョンダムドン)の酒席に大統領と法務長官がいた」(金宜謙議員)など品位を失った暴言と虚偽の主張も懲戒なしに見過ごすことになった。李在明(イ・ジェミョン)候補の暴力団資金授受の主張とともに、とんでもない写真を提示した金用判(キム・ヨンパン)議員、50億クラブの郭尚道(クァク・サンド)議員、梨泰院(イテウォン)惨事の際、ドクターカーに乗った申賢栄(シン・ヒョンヨン)議員も、このまま任期を終えることになった。

第21代国会の4年間、懲戒要請と審査は常軌を逸した国会の姿そのままだ。倫理特委は4年間で9回だけ会議を開いたので、開店休業に他ならなかった。一般の公職者なら懲戒を受けたはずだが、国会は国民の目線で議員を懲戒する能力も意志もないことを示したわけだ。一般会社なら、見過ごせないことをつぶしてしまい、国会が一般市民の倫理感覚に及ばないということだけを確認することになった。また、法司委の議事妨害を理由に最大野党「共に民主党」が本会議に直接付託したことで、唯一懲戒を受けた与党「国民の力」の金起炫(キム・ギヒョン)代表は、憲法裁判所が効力停止仮処分を受け入れ、うやむやになった。それさえも懲戒した1件さえも政派的な一方処理の結果だったのだ。

互いにいがみ合っていながらも、予算の獲得や現役議員の既得権守り、懲戒に目をつぶることでは敵対的共生関係に戻る与野党の振る舞いは、昨日や今日始まったことではない。与野党が声を高めて相手を懲戒すると倫理特委に渡すが、大衆の関心が消えればそれまでだ。与野党の談合の結果として、懲戒案には処理期限も定めていない。第19代、第20代国会の8年間、懲戒は1度もなかった。2011年、康容碩(カン・ヨンソク)議員がセクハラ発言で30日間の出席停止を受けたのが最近の事例であるほどだ。

国会の責任放棄が繰り返されているが、責任を感じる政治家は見当たらない。「これでは駄目だ」と自省する発言も聞いたことがない。倫理特委では、人望が高く、中立的な外部の人物が採決に参加する案が示されたが、国会は受け入れる考えがない。昨年末、国会が国家機関の中で信頼度が最も低いという世論調査結果があった。1年間でさらに悪化したと言っても、国会は返す言葉がないだろう。