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数学の父たち

Posted December. 14, 2023 09:27,   

Updated December. 14, 2023 09:27

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韓国の大学入試において数学は最も重要な科目だ。生徒たちが最も多くあきらめる科目でもある。与えられた時間内に難しい問題をいち早く解く能力だけが求められる世の中で数学は挫折の対象になるしかない。そういう数学を一体誰が作ったのだろうか?数学はなぜ必要なのだろうか?

数学の父といえば、ピタゴラスやアルキメデスが挙げられる。ルネサンス美術の3大巨匠といわれるラファエルロが描いた「アテナイの学堂(部分・1509~1511年)」にも彼らが登場する。システィーナ礼拝堂の壁に描かれた巨大な壁画には、プラトンやアリストテレスを中心に西欧学問のルーツを示す偉人たちが描かれている。活動した時代や地域がそれぞれ違っていたため、画家の想像力で描かれた場面だ。

興味深いのは2人の数学者の姿だ。紀元前6世紀に生きたピタゴラスは、画面左側の一番前に座っている。頭の禿げた彼は若い弟子たちに囲まれて分厚い本に何かを書いている。ピタゴラスの定理を証明するために没頭しているのかもしれない。彼に小さな黒板を差し出す青年はアルキメデスだ。自分が発見した「アルキメデスの原理」を絵で見せている。アルキメデスが風呂でこの浮力の原理を発見し、裸で飛び出して「エウレカ」と叫んだという有名な逸話がある。おそらく、彼は数百年前に生きていた大先輩に、自分の偉大な数学的発見を自慢し認められたかっただろうし、その気持ちをラファエルロはこのような姿で表現した。ピタゴラスは万物の根源は数であるとし、世界は数の法則に従って動くと信じた。宇宙を秩序の意味を持つ「コスモス」と命名したのも彼だった。

数学は質問し推論して証明する学問だ。これは哲学と同じだ。古代の数学者は哲学者だった。数学も哲学のようにゆっくり考えて答えを探していく過程が重要だ。一人でできない場合は、一緒に解決しなければならない。数学はこうして世の中を発展させてきた。たった1つや2つの間違った答えで人生の挫折を味わわせる数学は数学ではない。