「快楽ではなく苦痛に向き合えば幸せになる」
Posted January. 02, 2024 08:13,
Updated January. 02, 2024 08:13
「快楽ではなく苦痛に向き合えば幸せになる」.
January. 02, 2024 08:13.
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新年になると酒を控えるとかタバコをやめるという決心をする。最近はショッピングやスマートフォンの利用を減らすと決心する人も多い。実際にソーシャルメディア、ゲーム、アンボクシング(開梱作業、開封の儀)、仕事後の一気見など一見些細に見える「行動依存症」もアルコールやタバコ、薬物依存症と同じくらい深刻な問題を引き起こしかねないという警告が出た。依存症治療の専門家である米スタンフォード大学精神医学科のアンナ·レンブケ教授は、東亜(トンア)日報との新年インタビューで、「私たちの周りのすべてが中毒性を持つように設計され、誰もが依存症に陥りやすい」と話した。人の脳は酒を飲んだり買い物をしたりすれば、「幸福ホルモン」と呼ばれるドーパミンが分泌され、快楽を感じる。ところが、私たちの体は生理的均衡を保つ傾向があり、快楽を感じる分、バランスを取る過程で憂鬱や不安などの苦痛を感じるようになる。飲酒やショッピングをコントロールできず、ずっとそれだけを思い続け、そのため日常生活に少しでも支障をきたすなら危険な段階に入ったと考えるべきだ。意志の弱い人だけが依存症になるのではない。25年以上依存症患者を治療してきたレンブケ教授も面白半分で読んでいた「ロマンス小説」にはまって大変だったという。最近はソーシャルメディア依存症の問題が深刻になっている。世界人口の6割がソーシャルメディアを利用するが、一日の平均利用時間は2時間半で、起きている時間の15%を占める。ソーシャルメディアのアルゴリズムは、刺激的な情報でユーザーを惹き付けるように設計されており、寝る前にちょっとだけのはずが夜更かししてしまうケースも多い。特にレンブケ教授は「短い動画ほど中毒性が強い。幼い子供にスマートフォンを持たせるのは、体に悪い食べ物を食べさせるようなものだ」と話した。日常に支障をきたすほど何かに依存している場合は、脳の機能を正常化するために1カ月間は断ち切らなければならない。わずかな報酬でも喜びを感じる能力が回復するのだ。簡単に快楽を与える刺激が溢れる豊かな時代だ。意志だけに頼るのではなく、お酒は特定の友達とだけ飲む、家族と食事をする時や寝る時はスマートフォンをいじらないといった「自己拘束戦略」を使わなければならない。レンブケ教授は「人生は苦痛かもしれないが、これに向き合い一人ではないということを慰めにすれば、より幸せになれる」と話した。私たちを不幸にするのは欠乏ではなく、私たちが夢中になって渇望することだという意味だろう。
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新年になると酒を控えるとかタバコをやめるという決心をする。最近はショッピングやスマートフォンの利用を減らすと決心する人も多い。実際にソーシャルメディア、ゲーム、アンボクシング(開梱作業、開封の儀)、仕事後の一気見など一見些細に見える「行動依存症」もアルコールやタバコ、薬物依存症と同じくらい深刻な問題を引き起こしかねないという警告が出た。依存症治療の専門家である米スタンフォード大学精神医学科のアンナ·レンブケ教授は、東亜(トンア)日報との新年インタビューで、「私たちの周りのすべてが中毒性を持つように設計され、誰もが依存症に陥りやすい」と話した。
人の脳は酒を飲んだり買い物をしたりすれば、「幸福ホルモン」と呼ばれるドーパミンが分泌され、快楽を感じる。ところが、私たちの体は生理的均衡を保つ傾向があり、快楽を感じる分、バランスを取る過程で憂鬱や不安などの苦痛を感じるようになる。飲酒やショッピングをコントロールできず、ずっとそれだけを思い続け、そのため日常生活に少しでも支障をきたすなら危険な段階に入ったと考えるべきだ。意志の弱い人だけが依存症になるのではない。25年以上依存症患者を治療してきたレンブケ教授も面白半分で読んでいた「ロマンス小説」にはまって大変だったという。
最近はソーシャルメディア依存症の問題が深刻になっている。世界人口の6割がソーシャルメディアを利用するが、一日の平均利用時間は2時間半で、起きている時間の15%を占める。ソーシャルメディアのアルゴリズムは、刺激的な情報でユーザーを惹き付けるように設計されており、寝る前にちょっとだけのはずが夜更かししてしまうケースも多い。特にレンブケ教授は「短い動画ほど中毒性が強い。幼い子供にスマートフォンを持たせるのは、体に悪い食べ物を食べさせるようなものだ」と話した。
日常に支障をきたすほど何かに依存している場合は、脳の機能を正常化するために1カ月間は断ち切らなければならない。わずかな報酬でも喜びを感じる能力が回復するのだ。簡単に快楽を与える刺激が溢れる豊かな時代だ。意志だけに頼るのではなく、お酒は特定の友達とだけ飲む、家族と食事をする時や寝る時はスマートフォンをいじらないといった「自己拘束戦略」を使わなければならない。レンブケ教授は「人生は苦痛かもしれないが、これに向き合い一人ではないということを慰めにすれば、より幸せになれる」と話した。私たちを不幸にするのは欠乏ではなく、私たちが夢中になって渇望することだという意味だろう。
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