北朝鮮がロシアから数百万ドルの奢侈品搬入、兵器供与の見返りか

北朝鮮が昨年ロシアから搬入した奢侈品が数百万ドルにのぼると、韓国政府当局が見ていることが分かった。ロシアに砲弾だけでなく弾道ミサイルまで提供した北朝鮮が、その見返りの一部として奢侈品を密かに持ち込んだ可能性が高い。北朝鮮の海外奢侈品の搬入は、国連安全保障理事会の対北朝鮮制裁決議違反だ。

１２日、複数の政府筋によると、北朝鮮の奢侈品の搬入量は昨年急増したという。同筋によると、主に中国とロシアを通じて奢侈品が搬入されたが、特にロシアからのものが例年より大幅に増加したという。さらに同筋は、「北朝鮮の奢侈品の搬入は、新型コロナウイルスの感染拡大による封鎖が解除され始めた２０２２年下半期から増え始めた」とし、「事実上（封鎖が）解除された昨年下半期には、搬入がより頻繁に（韓米当局に）捉えられたようだ」と話した。そして、「絶対的な搬入量は中国発が多いが、ロシア発の奢侈品の増加に注目している」と付け加えた。

別の消息筋は、「ウォッカなど高価な酒類だけでなく、時計や化粧品などが搬入されたようだ」とし、「合計すると数百万ドルにのぼるとみられる」と伝えた。これに先立ち、昨年１２月には、北朝鮮の金正恩（キム・ジョンウン）総書記が、自身の専用車両を少なくとも３億ウォンにのぼるベンツの新型モデルのマイバッハに最近換えたことも確認された。奢侈品に分類されるベンツ車も国連安全保障理事会が指定した対北朝鮮輸出禁止の対象だ。

北朝鮮が、ロシアから小麦粉などの食料品を持ち込んだ量も昨年増加したという。北朝鮮では昨年７月までに餓死者が２４０人以上発生するなど、食料難が深刻だ。昨年９月、ロシアのプーチン大統領は金正恩氏と会談し、農業発展について話し合い、「（ロシアが）北朝鮮に提供するものがある」と述べた。世界１位の小麦輸出国であるロシアが食料支援などに積極的に取り組む意向を明らかにしたとみられた。

特に、北朝鮮の奢侈品の搬入などは兵器提供の見返りの可能性があるため、韓米当局は注視しているという。ウクライナのゼレンスキー大統領は１１日（現地時間）、ロシアが北朝鮮から１００万発以上の弾薬を供給されたと話した。米ホワイトハウスは最近、北朝鮮がロシアに弾道ミサイル発射台とミサイル数十発を供与したと明らかにした。

北朝鮮とロシアの緊密な関係を証明するかのように、北朝鮮の豆満江（トゥマンガン）駅からロシア沿海州のハサン駅などを往復する国境地域の列車運行も昨年増えたという。消息筋は、「昨年下半期には１週間に数回、列車が行き来したことが捉えられた」と話した。これは、兵器取引などのためかもしれないが、石炭や石油などのエネルギーや奢侈品の密輸が目的である可能性も高い。


申晋宇 niceshin@donga.com