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台湾総統は親米、第1党は親中…試される外交・安全保障・通商

台湾総統は親米、第1党は親中…試される外交・安全保障・通商

Posted January. 15, 2024 08:00,   

Updated January. 15, 2024 08:00

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米中間の代理戦争として世界が注目した台湾の総統選挙は、親米・台湾独立を掲げる政権与党・民進党の頼清徳氏の勝利で終わった。三つ巴の戦いとなった13日の選挙で、頼氏は40.1%を得票し、親中の最大野党・国民党の侯友宜氏(33.5%)と野党第2党・民衆党の柯文哲氏(26.5%)を退けた。中国の軍事的圧力にもかかわらず、8年ごとに政権が交代する流れを止めて勝利を収めた頼氏は、「世界の選挙イヤーの最初の選挙で、台湾は民主主義陣営における初勝利を達成した」と述べた。

今回の選挙は、政権与党に対する肯定的な評価よりも、野党の候補一本化の失敗が決定的な影響を与えたのが事実だ。頼氏は過半数得票に失敗しただけでなく、同時に行われた立法委員(国会議員)選挙で、与党民進党は国民党に1議席差で第1党の座を明け渡した。

今回の台湾選挙で、北東アジア情勢の不確実性はさらに高まった。総統得票率が50%未満で、与党が安定的な過半数議席の確保に失敗したこと自体が、これまでなかったことだ。さらに、頼氏は現総統より親米で、台湾独立をより強く志向している。低迷する経済成長のために国内の結束強化を狙う中国の習近平国家主席が、台湾に対する武力行動のレベルを上げる可能性がより高まった。

両岸の対立が激化する場合、韓国としては動きの幅が狭くなるしかない。中国が「核心的国家利益」と呼ぶ台湾問題で、韓米同盟の強化の重要性を強調する余り、韓国の最高位当局者らの発言のレベル調整に失敗してはならない。近年、「軍事的行動反対」などの発言で中国を刺激した愚を繰り返してはならない。「台湾放棄」に言及したとされるトランプ氏が11月の米大統領選で当選する可能性にも備えなければならない。

両岸の軍事的緊張の高まりは、ウクライナと中東戦争で苦境に陥った世界経済にさらなる悪材料となる可能性がある。台湾には世界最大のファウンドリ企業であるTSMCがあり、台湾海峡は世界のコンテナ船の半分が通過する。特に、中国が、台湾の主力産業である半導体部品の核心原料となる鉱物の輸出制限といった超強硬措置を取る場合、韓国企業に供給網リスクが発生する可能性が高い。だからといって、米中関係と両岸関係の変化をただ危機と見ることはない。サムスン電子がTSMCの隙を攻略するチャンスが開かれる可能性も十分にある。地政学的な危機を管理し、その中でチャンスを見つける外交力が、これまで以上に重要な時だ。