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バチカンのAI倫理問題担当修道士、「人間の不純さの方が心配」

バチカンのAI倫理問題担当修道士、「人間の不純さの方が心配」

Posted January. 22, 2024 08:33,   

Updated January. 22, 2024 08:33

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「人工知能(AI)の誤用や乱用の危険より、これを不純な目的で使おうとする人間の愚かさの方がより心配だ」

AIの倫理問題を巡って世界的な関心が高まっている中、神と人間の架け橋の役割をしながら現実倫理を探求するカトリック聖職者がAI倫理戦略に関して各国の政・財界のリーダーに助言し、注目を集めている。イタリア首相室傘下のAIタスクフォース(TF)で活動しているパオロ・ベナンティ・フランシスコ修道会の修道士(50)だ。

ペナンティ氏は18日、イタリアのジョルジャ・メローニ首相と米マイクロソフト(MS)創業者ビル・ゲイツ氏との会談に出席し、AIに関するさまざまなアドバイスをした。昨年、バチカンで開かれた教皇フランシスコとMSのブラッド・スミス会長との会合の時も陪席した。

19日、AP通信や英紙ザ・タイムズなどによると、ペナンティ氏は「AIが神を自任したり、AIの誤乱用の危険が人類に悪影響を及ぼすならば、どのように対処しなければならないか」という質問を受け、「AIより人間の愚かさの方がもっと心配だ」と答えた。

AIに関する過度な規制も反対するとの見解も明らかにした。保健医療などAIがもたらす革新が人間に及ぼす肯定的な効果も大きいということだ。ペナンティ氏は、「社会的な脈絡の中で正しいAI使用のレベルを探さなければならない」と繰り返し強調した。

ただ、AIが全世界の両極化を加重させる恐れがあることに懸念を示した。AIで仕事を失いかねない人は、大半が単純労働に従事する各国の低所得層や発展途上国の国民であるにもかかわらず、AI向けデータの大半は、途上国の低賃金労働者によって提供されるという。ベナンティ氏は、「私の宗教的使命が、虚偽の情報を読む人や働き口を失った人などAI被害者に集中させている」とし、この問題を必ず解決しなければならないと強調した。

ベナンティ氏はイタリアの名門ローマ・ラ・サピエンツァ大学で工学を専攻したが、学位取得を1年後に控えて大学を中退して聖職者になった。現在、教皇フランシスコのAI倫理担当顧問を務めている。また、各国の専門家38人が集まってAIの危険、挑戦、機会などを議論する国連の「AI高位級諮問機構」にも唯一のイタリア出身委員として参加している。


キム・ボラ記者 purple@donga.com