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王の審判

Posted February. 01, 2024 08:06,   

Updated February. 01, 2024 08:06

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死刑台の上に一人の男が裸で横たわっている。観客が見つめる中、死刑執行人たちは巧みに彼の皮膚を剥ぎ取っている。手足が縛られた男の顔は痛みで歪んでいる。いったい彼は誰で、どんな罪を犯してこのような恐ろしい刑罰を受けたのだろうか。

「シサムネスの皮剥ぎ」(1498年・写真)は、15世紀にベルギーのブルッヘで活躍したオランダの画家ヘラルド・ダヴィトの代表作だ。鮮やかな色彩と描写、顧客の要求をうまく反映した絵で有名だったダヴィトは、40歳頃からブルッヘを代表する画家になった。この絵は、ブルッヘ市議会議員から依頼されたもので、ブルッヘ市役所に飾るために制作された。画面には、古代ペルシャ王のカンビュセス2世の裁きの場面が描かれている。死刑台に横たわっているのは、腐敗した王室の裁判官シサムネスだ。シサムネスは、賄賂を受け取って不当な判決を出していた。それを知った王は即座にシサムネスを逮捕し、生きたまま皮を剥ぐ刑罰を与えた。そして、シサムネスの皮を裁判官の椅子に被せた。王は、シサムネスの息子オタネスを後任の裁判官に任命し、腐敗した裁判官の結末を常に念頭に置き、公正であるよう警告した。右上奥の皮に覆われた椅子に座っているのがオタネスだ。

ダヴィトは古代の物語を扱いながら、背景の建物や人物の服装を当時ブルッヘで流行していたスタイルで描いた。床に落ちているシサムネスの赤い服も、ベルギーの裁判官の公式の礼服だ。右側の死刑執行人たちの間には少年もいる。画面外の観客を見つめる少年は、この現場の証人に未来の世代もいると言っているようだ。このように、画家は古代の物語を自分が生きた時代と結びつけて表現した。

恐ろしいシーンだが、この絵の目的は明確だ。裁判官の不正が社会の根幹を揺るがす重大な犯罪であることを後世に伝えるためだ。15世紀の絵が問いかけているようだ。私的な関係であれ、金銭のためであれ、職業倫理を捨てた今日の権力者や裁判官は、果たしてどのような罰を受けるのか。