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少子化政策の放棄は解決策にならない

Posted February. 05, 2024 08:33,   

Updated February. 05, 2024 08:33

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年初から与野党が少子化の公約を発表するなど、少子化危機に関する議論が活発に行われている。今更感はあるが歓迎すべきことだ。16年間で約280兆ウォン投入したにもかかわらず、出生率が昨年0.78人まで下がったため、これまで何が誤っていたのか振り返ることは必要だ。東亜(トンア)日報記者がフランス、ドイツ、スウェーデン、日本、ハンガリーなどを回って政策に参考にすべき内容を新年企画「出生率、再び1.0台へ」シリーズで報道したのもこのためだ。

しかし、最近出版された本やコラムなどでは、これまでの努力が成果を出せなかったので全く異なるアプローチが必要だという主張もある。

昨年下半期に出版されたある本は、少子化政策の失敗の原因を女性の社会経済的地位の向上に見出し、「フェミニズムの影響で女性個人の生活をより重視する価値観が広がり、子育ての社会的価値が低下した」と指摘した。また、△女性の社会進出を優遇するすべての政策を廃止し、△中下層の男性労働者のための政策を設けるよう注文した。今年初めに出版された別の本も「女性の権利の伸張が子どもの必要性を下げ、少子化を引き起こす」とし、「(子どものいない家庭に対する)財産権と相続権の制限、独身税、公職進出の制限など強力な措置」を強調した。

一方、ある研究者は最近、進歩系新聞のコラムで、「金をもっと与えれば出生率が上がるという『ハンガリー式ソリューション』は、国家が国民を刺激に反応する家畜と見ている証拠」とし、確実な解決策は「出産、人口に執着せず、国家が個人の苦痛に耳を傾け、それぞれの幸せを応援していると感じさせること」とした。同紙には数日後、「むしろ少子化対策という言葉がなくなればいい」とし、「互いを尊重する暮らし、良い世の中を作るのが先」というコラムも掲載された。

前者は最近、一部の保守陣営から出ている主張だが、女性の社会進出が困難になると、昔のように家にいて子どもを養育すると考えているようだ。しかし、これは今の韓国社会では現実的でないだけでなく、国民の自己実現を支援するのが国家の責務という点で、望ましくない。

後者は一部の進歩陣営から出ている主張で、少子化対策が女性を手段化・対象化するという拒否感によるようだ。しかし、「若者の極端な選択を防ぐには若者が幸せな国を作るべきで、麻浦(マポ)大橋の手すりを高くしたり、パトロールを強化したりすることは役に立たない」という言葉のように聞こえるが、政策的にはあまり役に立たない。また、現金支援が出生率に影響を与えることを否定する専門家はいない。ただ、金額が増えたからといって効果が比例するわけではなく、長期的ではなく短期的な効果という指摘があるだけだ。

多くの専門家が言う少子化解決策は似ている。出産・育児の負担軽減、仕事と家庭の両立支援、住宅保障、移民誘致などだ。これは海外で検証された方法でもある。韓国でうまくいかなかったのは、住宅価格の高騰など他の変数が介入し、心理的不安を克服して子どもを産むほど十分な資源を配分していないためだ。韓国銀行によると、少子化予算のうち住宅ローンなどを除いた純粋な家族関連政府支出は韓国が国内総生産(GDP)の1.4%で、経済協力開発機構(OECD)加盟国平均(2.2%)の3分の2程度だ。

ある専門家は、「金を使っても解決しないからといって金を使わないことが、少子化の解決策になるはずがない」とし、「もっと多く、効果的に使う方法を研究しなければならない」と話した。少子化の危機を克服するには、正攻法を選択し、支援規模を拡大し、選択と集中を強化しなければならない。未婚男女、子どものいない夫婦、第一子のみの夫婦などに分けて優先順位を決め、オーダーメイドの政策を施行することがその始まりだろう。