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トランプ氏「再選なら中国に関税60%以上」

トランプ氏「再選なら中国に関税60%以上」

Posted February. 06, 2024 08:34,   

Updated February. 06, 2024 08:34

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米国のトランプ前大統領が11月の大統領選挙で勝利すれば、中国からの輸入品に60%以上の超高率関税を課す考えを明らかにした。「米国第一主義」を掲げて中国からの輸入品に25%の関税を課した政権1期よりも強力な保護貿易政策を予告したのだ。ブルームバーグ通信が集計した現在の中国からの輸入に対する平均関税率12%の5倍だ。

トランプ氏の再選の可能性が高まり、通商政策に関するトランプ氏の発言が出るたびに、グローバル金融市場が揺れる「トランプ効果」もすでに可視化されている。ただし、トランプ氏は「第2次米中貿易戦争」の可能性には距離を置き、再選時に中国との交渉の余地を残した。

●トランプ氏「中国に関税・制裁を必ず課す」

トランプ氏は4日(現地時間)、FOXニュースとのインタビューで、再選した場合「中国に60%の関税賦課を検討するか」という質問に、「おそらくそれ以上だろう」と答えた。中国に関税と制裁を共に課すのか」という質問にも、「そうしなければならない。中国は米国を利用した」と主張した。

これに先立ち、米紙ワシントン・ポスト(WP)は、トランプ氏が中国からの輸入品に60%の関税賦課を検討していると報じた。再選すれば、中国に対する最恵国待遇(MFN)を廃止し、平均関税率が40%である敵性国を対象にした関税「コラム2」を課そうとしているということだ。さらに、すべての外国からの輸入品に現在の関税に最高10%の関税を課す「普遍的基本関税」などを加え、中国からの輸入品に対する関税率を最低60%に引き上げるという構想だ。

トランプ氏は在任中の2018、19年、「米通商法301条」などを適用して中国からの輸入品に25%の高率関税を課した。その理由は、自身の一方的な保護貿易政策のためではなく、中国が米国との貿易合意を守らなかったためだと正当性を主張した。トランプ氏は、「中国が米国の鉄鋼産業を破壊しようとした」とも主張した。

60%関税構想が現実のものとなれば、米中が軍事的には対立しながらも経済的には一定の協力を模索する現在の「デリスキング(derisking・リスク緩和)」基調が、「デカップリング(decoupling・脱同調化)」に変わることは避けられないとみられる。

両国の対立激化で、昨年の中国の対米輸出はすでに1年前より13.1%減少した。このような状況で関税率を5倍に引き上げれば、米国経済にも大きな打撃が予想される。米シンクタンク「Tax Foundation」は、比較的安価な中国からの輸入品がなければ、米国の消費者物価の上昇などが避けられず、年間1兆5千億ドル(約2006兆ウォン)の費用が発生すると懸念した。

●ゴールドマン・サックス「中国投資家、トランプ氏の再選を懸念」

トランプ氏は同日、「中国は私が大統領になることを望んでいない」と主張した。自身が先月、アイオワ州とニューハンプシャー州の共和党予備選挙で勝利した際、「中国の株式市場が狂ったように下落した」とも述べた。

実際にトランプ氏の発言が伝えられた後、世界の金融市場では安全資産である米ドルの強さに賭ける投資家が多かった。米投資銀行ゴールドマン・サックスも、中国の投資家がトランプ氏の再選の可能性を景気の減速、株価下落、不動産市場の低迷などと共に主要な投資リスクに挙げたという報告書を公開した。また、「中国の投資家が最も多く尋ねた事項は、トランプ氏の再選が中国に与える影響だ」と付け加えた。

ただし、トランプ氏は中国との貿易戦争の可能性、中国の台湾侵攻時の米国の軍事介入の有無などについては即答を避け、曖昧な態度を維持した。トランプ氏は、「中国の習近平国家主席が好きだ。私の任期中、良い友人だった」と話した。台湾への支援については、「中国との交渉能力を弱める可能性があるため、言わない」と述べた。両国の利害が鋭く衝突する事案については、交渉の余地を残したのだ。


ワシントン=ムン・ビョンギ特派員 weappon@donga.com