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戦略のないゾンビサッカー、耐え切れず崩れた

戦略のないゾンビサッカー、耐え切れず崩れた

Posted February. 08, 2024 08:49,   

Updated February. 08, 2024 08:49

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韓国サッカーがヨルダンに衝撃的な敗北を喫し、アジアカップ優勝の夢がとん挫した。「ファンタスティック4」と呼ばれる孫興民(ソン・フンミン)、李康仁(イ・ガンイン)、黄喜燦(ファン・ヒチャン)、キム・ミンジェなど歴代最強の戦力という評価を受け、64年ぶりの王座奪還に挑んだが失敗した。トーナメントラウンドに入り、後半の終盤に生まれたドラマのような同点ゴールで流れを変えながら「なんとか」次のラウンドに駒を進めてきたが、準決勝までだった。

韓国は7日、カタールのアライヤンで行われたヨルダンとのアジア杯準決勝で、拙戦の末0-2で完敗した。ボール支配率では69.6%対30.4%と大きくリードしたが、シュート数では8本でヨルダン(17本)の半分にも及ばなかった。枠内シュートは一つもなかった。ヨルダンは7本のシュートが枠内に向かい、このうち2本がゴールネットを揺らした。

韓国がヨルダンを相手に1ゴールも決められず「零敗」を喫したことを海外メディアも「衝撃敗」と受け止めている。両チームは今大会グループステージで2-2で引き分けたが、ほとんどのサッカーデータメディアとベットサイトは韓国の勝利を予想していた。韓国は国際サッカー連盟(FIFA)ランキング23位で、ヨルダンはこれより64ランクも下の87位だ。ヨルダンは今大会前までアジア杯の最高成績がベスト8だった。米スポーツメディア「ジ・アスレチック」は「韓国がヨルダンに敗れる屈辱を味わった。大会中ずっと不調だった韓国がFIFAランキング87位のヨルダンを相手にひどい試合をした」と報じた。

大会中、韓国の守備は砂の城のようだった。ヨルダンのフセイン・アムータ監督は、韓国との準決勝を控えて強い自信を示した。フセイン監督は「韓国が準々決勝までの5試合で8点も許した。十分勝算がある」と話した。準決勝を行う前に、相手チームに弱みを握られたのだ。韓国は準決勝までの6試合で「クリーンシート」を一度も記録できず計10点を許した。2015年と2019年の2大会を合わせて11試合で許した4点の2倍を超える。

韓国には「ワールドクラス」CBのキム・ミンジェがいる。しかし、今大会での守備ラインは砂の城のようだった。キム・ミンジェ個人の防御力は目立ったが、カバープレーやライン調整のような協力守備はずさんだった。特にキム・ミンジェが警告累積で出場できなかった準決勝で韓国守備は「右往左往」していた。GK趙賢祐(チョ・ヒョンウ)の好セーブがなかったら、点差はさらに広がったはずだ。

韓国は警戒対象1、2号に挙げられていたムサ・アル・ターマリとヤザン・アル・ナイマトをいずれも逃した。1次リーグの試合で2人の威力を確認したにもかかわらず、十分に備えることができなかった。アル・ターマリは1ゴール1アシスト、アル・ナイマトは1ゴールを記録して韓国戦の完勝をけん引した。アル・ナイマトは1次リーグでも韓国を相手にゴールを決めていた。



韓国は槍の先も鈍かった。今大会の6試合で計11ゴールを決めたが、フィールドゴールは5ゴールに止まった。PKで3ゴール、FKで1ゴールを決め、残りの1ゴールは相手のオウンゴールだった。クリンスマン監督が頭の中で描いた戦術から出たと言える得点は一つもなかった。クリンスマン監督は今大会開幕前から、いわゆる「選手任せ」のサッカーをしているという非難を受けてきた。監督がどんなサッカーをしようとしているのか、カラーがはっきりせず、これといった戦術もなしに選手個人の技量に任せるサッカーをしているというのだ。これはアジア杯が始まっても変わらなかった。

4度目のアジア杯でも優勝トロフィーを掲げることができなかった代表チーム主将孫興民は憂鬱な表情で「本当に申し訳ない」という言葉を何度も繰り返した。孫興民は試合後、グラウンドインタビューをしたが、しばらく頭を下げたまま何も言えなかった。やっと口を開いた孫興民は「国民の皆さんからあまりにも多くの応援を頂いたのに優勝できなくて申し訳ない」と話した。孫興民は1分30秒間のインタビューで「申し訳ない」を5回も口にした。

孫興民、李康仁、黄喜燦、キム・ミンジェら欧州リーグでプレーする選手たちは同日、カタールからすぐ欧州に向かった。クリンスマン監督と国内リーグの選手たちは8日帰国する。

金培中 wanted@donga.com