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KBSが落とした質問、対談をもって記者会見に代えることはできない

KBSが落とした質問、対談をもって記者会見に代えることはできない

Posted February. 09, 2024 08:37,   

Updated February. 09, 2024 08:37

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尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の7日のKBS新年対談は、その内容と形式、進め方において多くの物足りなさを残した。テレビ局1局を決めて3日前に収録した後、大統領室のあちこちを歩き回る場面を入れる編集をして放映された対談は、プロパガンダー的なドキュメンタリーを連想させた。その質問も鋭さを欠き、物柔らかさだけで、対談というよりは歓談に近かったという評価もある。何より今回の対談では、国民が知りたいとしている、だからこそ大統領に聞きたい質問があまりにも多く抜け落ちている。

質問は概して、尹大統領が言いたいことや、やむを得ず言うしかないことに集中した。その核心だった金健希(キム・ゴンヒ)女史のブランドバック授受疑惑に対する質問さえ「いわゆるポーチ、海外メーカーの小さなバック」とその価値を縮小し、「儀典と警護の問題」という観点からアプローチした。だから「薄情に、薄情に切ることができなかった」という事実上の弁解の場になった。たとえそのように、仕方なく会ったとしても、バックをなぜ拒否しなかったのか、その後バックはどのように処理したのかについての後続質問もなかった。

尹大統領が望まないか不快に思うような質問はなかった。尹大統領の責任の下で捜査した「司法壟断」事件の梁承泰(ヤン・スンテ)元最高裁長官が1審で無罪判決を受けたことも、告発使嗾疑惑の孫準晟(ソン・ジュンソン)検事長の1審有罪判決について質問しなかった。韓東勳(ハン・ドンフン)「国民の力」非常対策委員長に対する辞退要求が実際にあったかどうかについての質問もなかった。尹政権発足以来、後を絶たない人事の乱脈ぶりはもとより、釜山(プサン)エキスポ誘致の失敗など、誰もが首をかしげざるを得なかった事案について、国民は何の答えも聞いていない。

年金・労働・教育3大改革に関する質問がなかった点も理解し難い。3大改革は、大統領就任後初の国会演説で危機克服のための3大先行課題として提示して以来、「選択ではなく必須」と言った事案だ。年金改革は政府が中身のない改革案を国会に提出して以来、事実上止まっているにもかかわらず、教育改革は私教育費の軽減や大学の無専攻選抜の拡大など散発的な政策が現場で大きな副作用を起こしているにもかかわらず、問い詰める質問がなかった。

大統領は国政の最高責任者として重大な権限に相応する「説明の義務」を負う。そのような避けられない大統領の責務を、自分の都合に合わせて回避したり制限してはならない。メディアも国民の知る権利のために、国民に代わって問い詰めなければならない。不十分で不十分だった今回のKBS対談をもって記者会見に代えることはできない。