(11)[オピニオン]貧困の恨み
貧しさゆえに世間の人々からそっぽを向かれる娘。優れた裁縫の腕前を自負しても、外見を飾ることで人と競争することはない。ところが、こんな魅力は、何の役にも立たない。今の世相は、変わった身なりやきれいな化粧など、華やかな外見だけを重視することを…。女性にとって、見合いがなければ結婚が難しいというのは、はるか昔から固まってきた風習。紀元前5、6世紀の民謡「詩経」にも、遅れた結婚について、女が「私が時期を遅らせたのではなく、あなたに良い仲人がいなかったからだ」と、男を恨む詩句が出てくる。実は、この男はごろつきだったが、行き当たりばったりの暮らしでも、仲人が必要だったことを示している。
この詩も、貧困の悲しみよりは仲立ちがおらず、結婚を望めなくなった女性の落胆に焦点を当てている。詩人が女性を実際に目撃したのか、それとも噂を聞いたのかは分からないが、二人の間には密かに通じるところがあった。官職に志を抱いた士なら、自分を要路に薦めてくれる「良い仲人」が欠かせないという事実だ。あえて女性の「格調と品位」を前面に押し出したのも、ソンビ精神と結び付けようとする狙いと見られる。誇りと劣等感の間で苦悩する二つの形状が、不思議にオーバーラップする。