中国が海外に居住する一部の反体制派のソーシャルメディアのアカウントはもとより、このアカウントをフォローしている一般人まで徹底的に調査していると、台湾の自由時報などが26日に報じた。来月初めに始まる年次最大の政治イベント「両会(全国人民代表大会と全国政治協商会議)」を前に、世論統制を大幅に強化しているとみられている。
中国で生まれ、2015年からイタリア・ミラノなどで生活している有名な女性反体制派の李穎(32)氏は25日、ソーシャルメディアX(旧ツイッター)に、「公安当局が私のアカウントのフォロワー160万人、私の投稿にコメントをつけた人に電話をかけ、『お茶でも1杯飲もう』と言っている」と書き込んだ。「お茶1杯」という言葉は、当局に呼び出されて調査を受けることを意味する中国オンライン上の隠語だ。
李さんは最近、公安に呼び出された自分のフォロワーの一人が職を失ったとも話した。偶然にも26日、李さんのフォロワー数は約140万人で、わずか1日で20万人減少した。李さんは、22年11月、大学生をはじめとする若者が当局の「ゼロコロナ」政策に反対するため、白い紙を手に街頭に出た「白紙デモ」の現場写真と映像を次々に投稿し、有名になった。
また、李さんは最近、河南省鄭州の女性が市内各所で「私は何も言うことがない」と書かれた白いプラカードを持って、中国のソーシャルメディア「抖音/ドウイン」(中国版TikTok)を通じてライブ放送を行ったが、突然放送が中断されたことも明らかにした。やはり、当局が介入して意図的に放送を中断させた可能性をうかがわせる。
米AP通信は、中国中央テレビの元記者であり、反体制ユーチューブジャーナリストとして日本に居住している王志安さんにも同様のことが起きたと報じた。当局が同じ理由で、王さんのアカウントをフォローしている人々に「登録をやめるよう」圧力をかけているということだ。
中国では海外のソーシャルメディアを利用することはできないが、仮想プライベートネットワーク(VPN)サービスなどを利用すればアクセスが可能だ。当局は最近、X、フェイスブック、テレグラムなど海外のソーシャルメディアに対する監視を大幅に強化している。
金喆仲 tnf@donga.com