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国際問題にまで発展した「スウィフト公演」

国際問題にまで発展した「スウィフト公演」

Posted March. 04, 2024 08:43,   

Updated March. 04, 2024 08:43

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2~9日にシンガポールで行われる米歌手テイラー・スウィフト(写真)の公演をめぐり、シンガポールと近隣諸国が衝突した。フィリピン、タイなどは、「シンガポール政府が東南アジア内の独占公演を誘致するために、主催者であるAEGに数百万ドルの補助金を支払った」と反発している。スウィフトの公演は、彼女の名前に「経済」を合わせた新造語「スウィフトノミクス(Swiftnomics)」を生むほど経済的な付加価値が大きいが、これをシンガポールが独占したという不満だ。

ロイター通信などによると、フィリピンのジョーイ・スカシーダ下院議員は先月28日、「シンガポール政府が自国内で独占コンサートを開催するためにAEGに補助金を支払った。これは良き隣国がすることではない」と抗議した。先月16日、タイのセター・タウィーシン首相も、「シンガポールが1回あたり200万~300万ドルを支払ってスウィフトを連れてきた」と批判した。一方、シンガポール側は、「スウィフト側が交通、物流、金融ハブであるシンガポールの利点を知って選んだ」と反論している。

スウィフトは今回のシンガポール訪問期間中、計6回の公演を行う。約30万枚にのぼる全入場券は早くも完売した。観覧客は少なくとも5億シンガポールドル(約5千億ウォン)を使い、その7割はシンガポール人ではなく、マレーシア、インドネシアなど近隣国の人である可能性が高いという分析も出ている。

主要ホテルと航空会社はすでにスウィフト特需を享受している。最近、ランドマーク的ホテル「マリーナベイ・サンズ」は、スウィフト公演のVIPチケット、ホテルのスイートルーム宿泊、リムジン利用などを組み合わせた5万シンガポールドル(約5千万ウォン)の「スウィフトパック」を発表した。こちらも販売開始と同時に完売した。別のホテルも、東南アジアの顧客需要が通常より2、3割増えたという。シンガポール航空なども近隣国の主要都市とシンガポールを結ぶフライトの需要が2割増加したと伝えた。

シンガポールは2008年から毎年自動車レース大会「フォーミュラ1(F1)」も開催している。これによる観光収入は20億シンガポールドルと推定される。スウィフトの公演誘致で、わずか1週間でその4分の1に相当する額を稼ぐことになる。


イ・ギウク記者 71wook@donga.com