Go to contents

老化に対する認識の転換

Posted April. 22, 2024 08:54,   

Updated April. 22, 2024 08:54

한국어

「老化は病気だ。治療できる!」(デビッド・シンクレア『老いなき世界』)

生老病死のうち、3つは老化と関係がある。老化はすべての人間が通る道であり、したがって避けられない自然なプロセスとして受け入れられてきた。

本書でハーバード大学医学部のシンクレア教授のメッセージは明確だ。老化を自然なプロセスとして認識すれば、私たちができることは何もない。しかし、老化を自然な人生の過程ではなく、幅広い病理学的結果(心臓病、アルツハイマー病など)を生む病気の過程と見れば、世界中の科学者たちは老化を治療し、中断し、逆転させる革新的な療法開発に力を注ぐだろう。始まりは、老化を宿命ではなく、治療対象として捉えることである。

本書は、私が今まで見た老化関連書籍の中で最も先駆的だ。私たちがこれまで信じてきた老いについての前提に根本的な疑問を投げかけている。イマヌエル・カントの認識論的大転換によれば、私たちは認識が対象に依存しているとばかり考えてきたが、実は対象に対する認識は主観の先験的形式によって成立する。老化もまた、私たちの認識の外に独立して存在する不変の現象ではなく、私たちがそれをどう捉えるかによって変わることができる可変的な現象だ。このような認識の転換を通じて、老化防止と遅延のための人間の努力が始まり得る。

老人ホームで一日でもボランティアをして、噛むことができない人たちに食事を与えたことがあるか、彼らの下の世話をし、入浴させたことがあるか、自分が誰でどこにいるのかさえ分からない人たちを介護したことがあるか、そのような人たちを経験してみると、老いと戦うことができるにもかかわらず、何もしないことが無責任であることを知ることになる。老いとの戦いは、老いに対する考え方を変えることから始まる。