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AIを自分だけのアシスタントにするには

AIを自分だけのアシスタントにするには

Posted May. 16, 2024 08:51,   

Updated May. 16, 2024 08:51

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緑の草原の上に道を作り、家を建てる。牛を飼って畑を耕すこともある。風が吹けば草葉が揺れ、秋になるときれいな紅葉が咲く。一見、中世ヨーロッパののどかな田園風景を描いた映画のようだ。しかし、これは映画ではなく、戦略シミュレーションゲーム「MANOR LORDS(マナー・ロード」に登場するシーンだ。

このゲームは先月26日に発売された。ゲームプラットフォームであるSteamによると、5月現在、Steam全体のゲームの中で売上ランキング2位を記録した。同時接続者が約17万人。日本のソニー、米マイクロソフト傘下のアクティビジョン・ブリザードなど、大企業が出した大作をすべて抜いた。

驚くべきことに、マナー・ロードは1人の開発者が生み出した作品だ。通常、一つの大作ゲームを開発するのに数百人の開発者が4、5年かかるが、マナー・ロードは映像編集のフリーランサーだったポーランド人のグレッグ・スティチェン氏が1人で7年間で作り上げた。その秘訣の一つは、人工知能(AI)の活用だった。米国NVIDIAのAIディープラーニング技術であるDLSSをマナー・ロードに適用した。DLSSは、ゲームの動画をより鮮明で滑らかにする役割を果たした。そのため、初めてマナー・ロードに触れた時、まるで映画を見るかのような感覚を持つことができるようになったようだ。

今後、1人開発者の大作はさらに増え、開発期間は数ヵ月と大幅に短縮されるだろう。スティチェン氏は、映像処理だけをAIに任せたが、これからは誰でもAIに指示してゲームの脚本を書き、絵だけでなく動画まで制作できるようになるからだ。人間の役割は、アイデアを出し、制作を指示し、そして完成品に対して判断することにとどまり、AIが人間に代わって制作を担当する時代になった。

インターネットやスマートフォンの出現よりも爆発力が大きいこのような変化は、2022年11月、オープンAIが生成型AIチャットGPTを発表したことで本格化した。生成型AIは、数千億単位の超巨大データから単語と単語、文章と文章の確率関係を学習し、一つの確率マップを作り、次に出てくる単語を予測して見せてくれた。これがまさに質問をすれば答えてくれるように見えた。

生成型AIは絶えず発展している。オープンAIが13日に発表したGPT-4oは、人のように見て、聞いて、話すAI時代を開いた。視覚障害を持つ人がスマートフォンでGPT-4oを起動すると、カメラが自分の目になり、音声で目の前に広がる光景を詳しく説明してくれる。呼び出したタクシーが近づいてくるのを認識し、「今すぐ手を上げて」と教えてくれる。盲導犬とは比べ物にならないレベルだ。NVIDIAのジェン・スン・フアン最高経営責任者(CEO)は、今後5年後、すべての面で人間レベルに匹敵する、またはそれを超えるAIが登場すると予測した。

むろん、AIは嘘を本当のように答えるなど、致命的な問題もある。だからといってAI技術に目を瞑るべきなのだろうか。予定された未来であるAI時代にどう備えるべきかは、東亜(トンア)日報が最近始めた「2024東亜人工知能・革新(AI & INNOVATION)アカデミー」で初講義を担当したKAISTのキム・デシク教授のコメントから見つけることができそうだ。 

「この講義に参加した皆さんはほとんどが40、50代です。AIを知らなくても、既存の知識を持ってそれなりに会社生活を送ることができる幸運な世代です。しかし、もし皆さんのご家庭に10代のお子さんがいるのであれば、ぜひ今日学んだAIサービスを一緒に実行してみてください。(今の)10代が就職する頃には、ほとんどの知的労働はAIが代行しているはずです。AIをできるだけ多く経験しておくことで、AIに振り回されることなく、AIを自分のアシスタントにすることができます」。