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事実を見ようとしない信念はスターを病ませる

事実を見ようとしない信念はスターを病ませる

Posted May. 20, 2024 08:53,   

Updated May. 20, 2024 08:53

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「金浩仲(キム・ホジュン)は決して同じ過ちを繰り返さないことを皆さんに誓います」

今月9日、ソウル江南(カンナム)で発生した「ひき逃げ疑惑」で警察の捜査を受けているトロット(韓国の演歌歌謡)歌手の金浩仲さん(33)の立場文の一部だ。この立場文には、「心から反省し、その過ちに対して相応の処罰を受ける立場」、「自ら認め、心から謝罪する」などの内容もある。自分の過ちを反省し、今後はこれ以上物議を醸すようなことはしないという意味と思われる。

実は、この声明は今回のひき逃げ疑惑に関連して出したものではない。金さんは2020年に違法賭博疑惑が浮上した時、自身の代理をした法務法人名義でこのような声明を出した。当時、金さんの一部のファンは、物議を醸した状況でも「金浩仲を応援する」というフレーズをポータルサイトのリアルタイム検索語上位に上げ、確固たる信念を見せた。

捜査の結果、金さんは起訴猶予処分を受けた。起訴猶予とは、罪がないというのではなく、犯行の動機や軽重などを考慮し、検察が起訴せずに釈放することを意味する。起訴されて司法処分を受けることになれば、芸能活動を中断しなければならなかったかもしれない。しかし、起訴猶予と応援したファンの願いに沿った結果となった。

当時の事件の学習効果のためか。9日のひき逃げに続くマネージャーの「虚偽自首」疑惑が初めて報道された直後、金さんのファンカフェには「冷静に所属事務所の発表を待とう」という書き込みがあった。報道の内容を信じず、金さん側の説明をまず見るべきだということだ。少なからぬファンがこれに呼応した。

問題はその後だ。核心疑惑だったマネージャーの虚偽自首は、金さん側も認めた。金さん側は、「(事故の)状況を知ったマネージャーが『私が処理する』と警察署に行き、自分が運転したと自首した」と明らかにした。もう一つの核心疑惑である飲酒運転については、金さん側は依然として否定している。事故直前に飲食店や酒場を訪れた形跡と国立科学捜査研究院の「飲酒の所見」などが明らかになったにもかかわらずだ。

このような状況でも、金さんのファンカフェには「揺るがない」、「これも過ぎ去ると思う」というコメントが寄せられている。18日の慶尚南道昌原市(キョンサンナムド・チャンウォンシ)で予定されているコンサートに参加するというファンの書き込みも数多く寄せられた。これに呼応するかのように、金さん側は「コンサートを開く計画か」という記者の質問に、「ファンとの約束」と答え、強行する意向を示した。

決して同じ過ちを繰り返さない」と金さんが4年前に言った約束は、本当に「同じ過ち」である違法賭博だけに限定されるのだろうか。今回のひき逃げ疑惑は過去の過ちとは関係ないのか、金さんは実際に18、19日のコンサートの舞台に立った。

この過程で、金さんの人生遍歴に感動して応援していた大衆の多くが背を向けてしまった。一部では、一方的な応援だけを送る一部のファンのために、今回の事件で金さんに対する好感度が下がったと指摘する。金さんの再起の可能性をさらに狭めたことになる。金さんのインスタグラムに今回の事件後に残されたコメントを一つ紹介する。「金浩仲歌手を応援するファン、擁護が無条件に助けてくれるわけではない。大衆はその恥知らずな応援にもっと怒っている」。