パレスチナ・ガザ地区の最南端都市ラファをめぐるイスラエルとハマスの戦闘が激化している。特に、イスラエルが26日、ラファ西部の避難民のテントが集まるテル・アル・スルタン地区を攻撃したことをめぐり、パレスチナ側は「人道地区を攻撃しないという約束を破った」と憤った。イスラム圏に向けて対イスラエル蜂起も呼びかけた。イスラエルは、「ハマスが同日、先にロケット攻撃をしたため、ハマス幹部の掃討が必要だった」と反発した。
英BBCなどによると、ハマスは同日、ラファ周辺からイスラエル最大の都市テルアビブはもとより、ヘルツリーヤ、クラファシャリヤフ、ラマトハシャロン、ペタ・ティクヴァなど中北部の主要都市に少なくとも8発のロケット弾を発射した。テルアビブに対するハマスのロケット弾発射は昨年12月以来約6ヵ月ぶりだ。この影響で、各地でミサイル警報が鳴り響き、「アイアンドーム」防空網システムが作動した。イスラエルは、「一部のロケットを迎撃し、人的被害は負傷者1人にすぎない」と明らかにした。
イスラエルは数時間後、ラファに向けて報復攻撃に乗り出し、少なくとも35人のパレスチナ住民が死亡した。特に、テル・アル・スルタン地区に集まっていた女性、子どもらが多数犠牲になった。
パレスチナ側は、「避難民集合地区への攻撃は大量虐殺だ」と憤った。パレスチナ赤新月社も、X(旧ツイッター)を通じて、「まだ捜索と救助作業が行われており、犠牲者が増えるだろう」と懸念した。国連最高司法機関である国際司法裁判所(ICJ)が24日、イスラエルに「ガザ地区への攻撃を中止せよ」と命じたが、イスラエルが無視していることも問題視した。
イスラエル軍は、「ハマスのテロリストが活動していたラファのハマスの施設を攻撃した」とし、正当な軍事行動だと反論した。今回の攻撃で、ハマスの資金管理を担当していた幹部ヤシン・ラビア、ハレド・ナガール氏を射殺したと発表した。ただし、「この攻撃による火災で該当地域の民間人数人が被害を受けたという報告を受けた」とし、「軍が事実関係を調査中」と付け加えた。
ハマスが追加報復に出る意向を明らかにし、両者の戦闘は再び激化するムードだ。ハマスは、「犯罪者占領軍が避難民のテントに対して行った虐殺に憤る」とし、「ヨルダン川西岸地区およびエルサレム住民はもとより、海外の我が国民も蜂起せよ」と呼びかけた。両者が28日、エジプトのカイロで行おうとした休戦交渉にも支障を来たしかねない。ハマスは、「イスラエルがガザ地区への攻撃を止めなければ、拘束中のイスラエル民間人を解放しない」構えだ。
カイロ=キム・ギユン特派員 pep@donga.com