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北朝鮮の「汚物風船」が韓国に飛来

Posted May. 30, 2024 08:57,   

Updated May. 30, 2024 08:57

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北朝鮮が、大規模な「汚物テロ」を強行した。28日の夜から2日間、汚物やごみが入った大型風船を260個以上も飛ばしたのだ。短期間でこのような規模の風船テロを行ったのは今回が初めて。汚物が入った風船は、ソウル都心や全羅北道(チョンラプクト)、慶尚北道(キョンサンナムド)など韓国全域に飛来した。龍山(ヨンサン)大統領室からわずか4.5キロ離れた政府ソウル庁舎や外交部庁舎の屋上にも風船が落ちた。迎撃が難しい大型風船に爆弾や生物化学兵器などが搭載されていた場合、人的被害が続出し、大規模な混乱が起こり得る。北朝鮮は29日、西海(ソへ・黄海)上で全地球測位システム(GPS)妨害攻撃も行った。同時攻撃で混乱を増幅させようとしたものとみられる。

韓国軍によると、大型風船は28日夜から休戦線以南の京畿(キョンギ)・江原(カンウォン)接境地域をはじめ全国各地に飛来した。その後、29日までにソウル市麻浦区(マポク)や九老区(クロク)、永登浦区(ヨンドゥンポク)など首都圏はもとより、江原道と慶尚南道(キョンサンナムド)、全羅北道などにも飛んだ。風船は休戦線から250キロ以上離れた慶尚南道居昌郡渭川面(コチャングン・ウィチョンミョン)の水田でも発見された。全羅北道茂朱郡と忠清南道鶏龍市(チュンチョンナムド・ケリョンシ)に落下した風船の周辺では火薬が発見され、当局が調査に乗り出した。

軍関係者は、「1日基準で過去最大規模の風船が韓国に飛来した」と明らかにした。風船と汚物袋の接続部には、「自動爆破タイマー」が設置されていたという。動力装置はなかったが、風向きや飛行時間を計算して大統領室や政府ソウル庁舎など主要ターゲットに汚物を散布しようとしたものとみられる。2016年には北朝鮮がソウルに飛ばした大型風船から大きな物体が落下し、車両と住宅の屋根が破損したことがある。軍は、化学兵器迅速対応チーム(CRRT)と爆発物処理班(EOD)を出動させ、地上に落ちた約80個の風船を回収し、関連機関で精密分析中だ。

これに先立ち、北朝鮮は26日、脱北者の北朝鮮へのビラ散布に対抗するとし、「多くのごみや汚物が近く韓国の国境地域と中心地域に散布されるだろう」と警告した。北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記が軍事偵察衛星打ち上げの翌日である28日、「正当な衛星打ち上げに韓国傀儡が武力示威を行った」と主張し、「許しがたい火遊び」と主張したため、北朝鮮の韓国に対する挑発が続く可能性があるとの観測が流れている。韓国軍は、「反人道的で低級な行為を直ちに中止せよ」と北朝鮮に警告した。


尹相虎 ysh1005@donga.com