「栄光には大きな責任が伴います。その責任を真摯に果たします」
14年連続で「世界ジェンダーギャップ指数」1位のアイスランドで、28年ぶりに再び女性大統領が誕生した。1日(現地時間)に行われた大統領選挙で当選したハトラ・トーマスドッティル氏(55)は2日、首都レイキャビクにある自宅の前でこのように当選の感想を述べた。アイスランドは1980年に世界初の民主選挙で女性大統領を輩出しており、今回は史上2人目だ。
AP通信によると、今回のアイスランド大統領選挙は得票率1~3位がすべて女性だった。開票結果、トーマスドッティル氏が34.3%を獲得し、任期4年の次期大統領となる。25.2%を獲得した前首相のカトリン・ヤコブスドッティル氏と15.5%のハットラ・フルンド・ロガドッティル氏が後に続いた。今年の大統領選挙の投票率は78.83%で、96年以降最も高かった。
8月に就任するトーマスドッティル氏は、今回の大統領選挙で政治的な問題よりも社会的な問題に集中し、大きな支持を得た。ソーシャルメディアが若者の精神衛生に及ぼす影響やアイスランドの観光活性化、人工知能(AI)の未来など、多様で実質的な論題をうまく掘り下げたと評価された。
トーマスドッティル氏は、国際ビジネス及び経済を専攻した実業家だ。2008年の金融危機を乗り切ったアイスランドの投資会社「オイズル・キャピタル」の共同創業者であり、アイスランド初の女性商工会議所会長に就任した。職場文化の多様性増進のために活動する非営利団体「B Team」で最高経営責任者を務めたこともある。
欧州メディアは、「女性候補が1~3位を占めた今回の大統領選挙は、世界経済フォーラム(WEF)がなぜアイスランドを14年連続で『世界で最もジェンダー平等な国』に選定したかをよく示している」と伝えた。WEFによると、アイスランドは従業員25人以上の企業に男女同一賃金を証明することを義務づけている。育児休暇期間には、給与の最大8割を支給する政策もある。企業の取締役会の4割は女性で構成しなければならない。
アイスランドは、21世紀に入って女性首相が2人誕生した。議員内閣制のアイスランドで大統領は憲法と国民統合の守護者という象徴的な役割を果たし、実質的な権限の多くは首相にある。
趙은아 achim@donga.com