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「汚物風船vs対北朝鮮ビラ」崖っぷちの南北

「汚物風船vs対北朝鮮ビラ」崖っぷちの南北

Posted June. 07, 2024 08:44,   

Updated June. 07, 2024 08:44

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北朝鮮が再び汚物をぶら下げた風船を韓国に飛ばした場合、最前方地域に北朝鮮に向けた拡声器を直ちに設置するという方針を韓国軍が立てたことが6日、確認された。韓国軍は、北朝鮮が再び飛ばした「汚物風船」の被害規模によっては、「拡声器の設置と同時に直ちに放送を再開」することもできるという立場だ。同日未明、脱北者団体は対北朝鮮ビラ20万枚を載せた風船10個を北朝鮮に飛ばした。北朝鮮は、韓国に汚物風船を飛ばした後、突然2日夜に「暫定的に中断する」との談話を発表し、「韓国が反共和国ビラ散布を再開する場合、発見された量と件数に応じて、100倍の量の紙くずと汚物を散布する」と警告した。

韓国軍は、北朝鮮へのビラ散布を口実に、北朝鮮が汚物風船テロなど大規模な挑発に出る可能性が高いとみて、北朝鮮の挑発シナリオに応じた拡声器放送の再開など対応を集中的に点検した。政府はこれに先立ち、北朝鮮の汚物風船テロに対応して4日、2018年の「南北軍事合意」の全効力を停止させた。北朝鮮に対するビラ散布を口実に北朝鮮が大規模な報復措置に乗り出し、韓国軍の対抗措置が連鎖的に続けば、韓半島内の軍事的緊張が最高潮に達するという観測も流れている。

脱北者団体「自由北朝鮮運動連合」は同日、「午前0時~1時の間に北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記の妄言を糾弾するビラを北朝鮮に送った」と明らかにした。韓国軍も同日、風船の一部が北朝鮮の上空に飛んだのを確認したという。統一部当局者は、北朝鮮へのビラ散布と関連して、「表現の自由を保障するという昨年9月の憲法裁判所の決定の趣旨を考慮してアプローチしている」とし、強制的に制止しないという従来の政府の立場を再確認した

北朝鮮が、前回飛ばした汚物風船は3500個と明らかにしたことから、韓国軍は、近く数千個以上の汚物風船を飛ばす可能性があると見て注視している。政府は、北朝鮮の3回目の汚物風船で韓国国民に対する実際の被害が大きくなれば、拡声器の設置と共に放送を再開する方針だ。

尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は同日、ソウル市銅雀区(トンジャクク)の国立ソウル顕忠院(ヒョンチュンウォン)で行われた祖国防衛の英霊を弔う「顕忠日」の式典で、「今、大韓民国は世界で最も明るい国になったが、休戦線以北は世界で最も暗い闇の地となった」と述べた。そして、最近の汚物風船テロを念頭に、「西海(ソへ・黄海)上での砲射撃とミサイル発射に続き、最近では正常な国なら恥ずべき卑劣なやり方の挑発まで行った」とし、「政府は北朝鮮の脅威を決して座視しない」と強調した。


シン・ジンウ記者 ソン・ヒョジュ記者 イ・サンホン記者 niceshin@donga.com · hjson@donga.com · dapaper@donga.com