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大統領のレームダックを早める「政権野党」国民の力

大統領のレームダックを早める「政権野党」国民の力

Posted June. 14, 2024 08:37,   

Updated June. 14, 2024 08:37

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「床下の地下室に降りてきたが、足元に黒い穴がまた見える」

与党「国民の力」の2期目の議員は最近、無気力な党の状況をこう表現した。今月初め、最大野党「共に民主党」との院構成交渉が本格化すると、「国民の力」指導部は、「民主党が18の国会常任委員会委員長を独占すれば必ず逆風を迎えるだろう」と述べた。「巨野独走審判論」を呪文のように唱えていた。第22代総選挙で与党と「共に民主党」の議席数がそれぞれ108議席、171議席で63議席差があったが、全国得票率の差が5.4ポイントにすぎないというのが根拠だった。「阻止できる代案はあるのか」と問い返すと、「妙策はない」と答えた。「共に民主党」は10日夜、単独で国会本会議を開き、法制司法委員会や運営委員会、科学技術情報放送通信委員会など11の常任委員会委員長を単独で選出した。本会議場が「民主党の議員総会場」のようだった。

与党は依然としてインディアンの雨乞い式に、「巨大野党審判論」を連呼している。「国民の力」」の秋慶鎬(チュ・ギョンホ)院内代表は、「議会独裁、独走の麻薬を飲んだようだ。民主党は正気ではない」と非難した。しかし、野党に向けた民心の逆風が吹く気配はまだ見えない。4年前の第21代国会で、「共に民主党」が18の常任委員会を独占した時、「国民の力」は野党だった。政権与党が無策で全てを手放すのとは違う。逆風が、ただ「ボイコット」するだけの無責任な与党に吹く可能性があるという党内の懸念が高まっている。

無気力な与党の象徴は、国会開会から半月が過ぎてもまだ本会議場にも入らず、常任委員会の活動もしていない与党の初当選議員たちだ。5日、「共に民主党」など野党が禹元植(ウ・ウォンシク)国会議長を単独選出する際、与党議員たちは本会議場前のロタンダホールで抗議集会を行った。その日、初めて本会議場に入った「共に民主党」初当選議員たちは記念写真を撮った。ロタンダホールは円形ホールを指す「ロタンダ(rotunda)」から来ているが、政界では「法案(law)を優しく(tender)処理しよう」という意味が込められているという笑い話もある。与党が本会議場の外で野党の意のままに法案を処理するように放置しろという意味ではない。立法権のない与党特委ができることもない。ある与党初当選議員は、「私たちが政権『野党』になったようだ」と話した。

「共に民主党」は与党を素通りし、大統領室を直接相手にして久しい。それでも与党は、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の再議要求権(拒否権)に期待しようとしている。「共に民主党」が主導する法案の「毒素条項」を交渉する意志も能力も与党にはないようだ。

与党が拒否権を「後ろ盾」のように信じているが、尹大統領の支持率は危うい。韓国ギャラップが最近発表した尹大統領の職務遂行に対する肯定的評価が、就任後最も低い21%だった。否定評価は70%で、就任後最も高くなった。このような状況で与党の拒否権要求、尹大統領の拒否権行使が繰り返されれば、民心は誰の味方をするだろうか。

大統領単任制国家で、任期末のレームダックは避けられない。しかし、今は政権3年目の真っ只中だ。大統領の支持率がこのままでは、大統領の命令が出ず、公職社会も動かないだろう。「残りの大統領任期が失われた3年になる可能性がある」というある政治学者の警告が空言に聞こえなかった。与党の無気力症が私たちの生活の足を引っ張るのではないかと思うほどだ。


朴訓祥 tigermask@donga.com