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再建築の文法が変わってこそ都心の住宅供給が可能になる

再建築の文法が変わってこそ都心の住宅供給が可能になる

Posted June. 15, 2024 08:46,   

Updated June. 15, 2024 08:46

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朝は、漢江(ハンガン)を見下ろしながらホテル式の朝食を取る。午後は地下でゴルフ練習をし、夕方は海外業者がデザインした建物周辺の散歩道を楽しみながら一日を終える。最近分譲するマンションが描く入居者の暮らしだ。

最近建てられたマンションの本当の姿は、このような高級な暮らしとは程遠いように見える。雨が降れば地下が水浸しになり、建てたばかりの家が結露とカビに苦しめられることもある。原材料価格と人件費が高騰し、マンションのまともな建設は難しいだろうという懸念は、急増する施工不良紛争件数からに分かるように、現実化している。不動産コミュニティでは、供給網の危機が本格化した2020年以降に建てられたマンションは避けなければならないという話まで出るほどだ。

このような状況で、再建築年限である築30年を超えたマンション数が260万戸を超える。1980年代、住宅価格の安定のために首都圏に大々的にマンションを供給したことによる副作用でない副作用だ。全てのマンションを必ず再建築する必要はないが、住宅需要の多い主要都心には、再建築や再開発以外は住宅を供給する土地がないのが現状だ。

ところが、果たして韓国の再建築組合と建設会社はこの「再建築の時代」に耐えられる能力があるだろうか。住宅都市保証公社(HUG)によると、4月末基準でソウルの民間マンションの1平方メートル当たりの平均分譲価格は1177万ウォンとなっている。前月比2.36%、前年同月比26.7%も上昇した。3.3平方メートル当たりの平均分譲価格は3884万ウォンで、まもなく4000万ウォンを超える勢いだ。最近の物価上昇や建設現場の人手不足問題、依然として解決していない不動産プロジェクトファイナンス(PF)の不良問題を考えれば、今後も工事費が上がるのは既定の事実だ。上がった工事費が、再建築事業の定数になっている。

それでも再建築の受注現場では、依然として誰もコスト削減方法には関心がない。内装材やビルトイン家具、家電を輸入製で飾るのはもちろん、建物と建物とをつなぐ「スカイブリッジ」や建物屋上の「インフィニティプール」のような高級ホテルにあるような施設を、猫も杓子も建てるという。団地内に高級リゾートをかたどった造園を行い、海外のデザイナーを招待して遊び場やラウンジのようなコミュニティ施設をデザインする。

どんな事業を手掛けても総コストを予想し、最大限その中でコストを管理するのが常識だ。しかし、再建築事業では、このような当然なことが行われない。建設会社は低価格で入札し、いったん事業を受注後、工事費を数千億ウォンずつ引き上げ、組合は「ランドマーク団地」になって相場差益を高める方法のみ工夫する。高くなったコストは一般分譲価格を高め、組合員でも建設会社でもなく、マイホーム購入を夢見る無住宅者に転嫁できるためだ。分譲価格が今後さらに上がるという不安から、分譲申込市場に飛び込む人たちにコストが転嫁されている。

今後、第1期新都市をはじめ、全国各地で再建築事業が進められるだろう。再建築の文法そのものが変わらなければ、今あちこちで起きている工事費をめぐるトラブルは、引き続き場所のみ変えて繰り返されるだろう。建設会社と組合が自ら変わらなければ、公共が乗り出さなければならない。新しいルールと審判の役割が必要な時だ。