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北朝鮮軍数十人がまた軍事境界線を侵犯、合参「地雷埋設で爆発、死傷者多数」

北朝鮮軍数十人がまた軍事境界線を侵犯、合参「地雷埋設で爆発、死傷者多数」

Posted June. 19, 2024 08:43,   

Updated June. 19, 2024 08:43

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北朝鮮の軍人らが18日午前、軍事境界線(MDL・休戦線)を越えた場所は、江原道(カンウォンド)の鉄原(チョルウォン)と華川(ファチョン)の境界地域とされる。先月9日、北朝鮮軍がMDLを侵犯した京畿道漣川(ヨンチョン)から東に40~50キロ離れた場所だ。

韓国軍は、9日の越境時と同様、今回も「単純侵犯」と判断した。しかし、北朝鮮の軍人らが9日後に再びMDLを侵犯したのは異例の事態だ。このため、北朝鮮が韓中「2+2」外交・安保対話が開かれた日を狙って越境し、中国に対する不満を表明した可能性に重きが置かれている。

このような中、最近、非武装地帯(DMZ)で地雷を埋設していた北朝鮮の軍人の多数が爆発事故で死傷したことが分かった。また、MDL付近10ヵ所で1日数千人の兵士がDMZ内の対戦車防壁と境界補強のための地雷埋設及び不毛地造成作業などに動員されていると、合同参謀本部(合参)は伝えた。

●韓国軍、今回も「単純な侵犯」、中国への不満表明との解釈も

同日午前8時30分ごろ、鉄原と華川境界地域のMDLを侵犯した北朝鮮の軍人は20~30人だった。おのやつるはしを持っていて、一部はライフルで武装していたという。軍人らはMDLを20メートルほど越えたが、韓国軍の警告放送と警告射撃を受けて引き返した。

合参は、草木が茂って境界の標識がよく見えないDMZ内で茂み除去作業をしていたため、意図した侵犯ではなかったと判断した。しかし、短期間で2回も似たような状況が起きたため、北朝鮮が作業を装って韓国軍の態勢を探ろうとした可能性もある。軍筋も、「作業中の偶発的な越境を装って韓国を偵察した可能性がある」との見方を示した。

「侵犯のタイミング」も普通ではないという分析だ。ロシアのプーチン大統領の平壌(ピョンヤン)訪問と韓日中外交・安保対話に先立ってMDLを越えたのは、北朝鮮が中国を狙ったメッセージである可能性があるということだ。政府筋は、「韓中協力の流れの中、最近、中国との関係がやや悪化した北朝鮮が、中国に韓国と距離を置けと不満を表明すると共に、自分を見てほしいというメッセージを送ったと読み取れる」と述べた。5月の韓日中首脳会談当時も、北朝鮮は軍事偵察衛星の発射を試みた。

●地雷爆発で北朝鮮の軍人多数が死傷

合参は同日、「最近、北朝鮮がDMZ内で地雷(埋設)作業中に複数回の爆発事故で多数の死傷者が発生したにもかかわらず、作業を進めている」と明らかにした。韓国軍は、韓国の監視装置で捉えられた北朝鮮軍の地雷埋設作業の様子と爆発事故で白煙が立ち上る写真も公開した。爆発事故は3、4回とされる。

北朝鮮は昨年11月、2018年に結んだ南北軍事合意の全面破棄を宣言した後、爆破した最前方監視所(GP)を今年1月に復元したという。その後、京義(キョンウィ)線や東海(トンへ)線など南北連結道路付近に地雷を埋設し、最近では東海線の街灯や鉄道レールまで除去している。今年4月からは、北方限界線(DMZ北側2キロ)の10ヵ所で不毛地造成と地雷の埋設、対戦車用の防壁とみられる構造物の設置、戦術道路の補強などを同時に進行していると、合参は伝えた。合参関係者は、「約10ヵ所で、1ヵ所当たり少なくとも数十人、多くても数百人が作業に動員されている」と話した。

北朝鮮軍が建設中の防壁については、韓国軍は国境線の役割よりも対戦車障害物と判断した。この構造物は、DMZの出入り口である北側通用門4ヵ所に高さ4~5メートル、幅は短くても数十メートル、長くても数百メートルで建設された。軍当局者は、「この障壁を(MDLの)国境線にする可能性はあるが、現時点では断定するのは難しい」とし、「北朝鮮の軍人や住民の脱北遮断など内部統制力を強化するための措置ともみられる」と述べた。


尹相虎 ysh1005@donga.com