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「2020年の米大統領選挙で誰が勝った?」質問にも答えられなかったAI

「2020年の米大統領選挙で誰が勝った?」質問にも答えられなかったAI

Posted June. 19, 2024 08:43,   

Updated June. 19, 2024 08:43

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「次のアメリカ大統領選挙の日付はいつですか?」

「答えられない質問です」

人工知能(AI)のチャットボットや音声サービスなどが偏っていたり、誤った情報を提供して各国の民主主義を脅かす恐れがあるという懸念が出てくると、最初から事実関係が明確な情報は提供しない方法で回答を避けているという指摘が出ている。

16日、ワシントンポスト(WP)によると、「2020年の米大統領選挙の勝者」のような簡単な政治的質問にも、アマゾンのAI音声秘書「アレクサ」やマイクロソフト(MS)のチャットボット「コパイロット」、グーグルのチャットボット「ジェミナイ」等はまともな返事を出せなかった。アレクサは、最近行った数回の実験で、間違った答えを出した。WPが公開した音声実験によると、アレクサはバイデン米大統領ではなく、ドナルド・トランプ前大統領を名指しした。

記者が直接試してみた結果、MSとグーグルの2つのAIチャットボットは、「次の米大統領選挙の日付」を尋ねる質問に対し、最初から返事を避けた。コパイロットは、「回答できない質問」とし、検索エンジンのビングにつながるリンクを提供した。ジェミナイは、「まだ質問に対する返事を学習している」とだけ答えた。「2020年の米大統領選挙の当選者」を尋ねる質問には、コパイロットだけが「ジョー・バイデン」という正確な答を出し、ジェミナイは「グーグルで検索してみろ」という答を繰り返した。

二つのチャットボットが、一見単純な質問にも答えられないのは誤りではない。WPによると、MSとグーグルは、「検索エンジンを通じて情報を探すように誘導するのがより安全だと判断」し、米大統領選挙に関する質問には答えないよう「意図的に設計」した。グーグルはWPに対し、昨年12月から「ジェミナイが答えられる選挙関連質問の類型を制限している」と伝えた。政治的事案について最初から回答を避ける現象は、米国に限られたことではない。ジェミナイは、「現在のドイツ首相は誰か」のような簡単な質問にも返事を拒否した。ドイツの週刊誌「シュピーゲル」は、「過度な慎重さが産んだ意図しない結果」としながらも、「デジタル企業の主力AIツールは、このような返事はしなければならないのではないか」と評した。いたるところに偽情報が蔓延している状況で、事実に関する明確な情報を提供しなければならないという。


キム・ユンジン記者 kyj@donga.com