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夏の蚊の駆除にドローン使用、ソウルの自治区が新防疫対策

夏の蚊の駆除にドローン使用、ソウルの自治区が新防疫対策

Posted June. 19, 2024 08:44,   

Updated June. 19, 2024 08:44

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「ドゥドゥドゥドゥ」

12日午前、ソウル江南区(カンナムグ)の三成(サムソン)日の出公園。漢江(ハンガン)やロッテタワー、オリンピック通りなど、ソウルの名所が一望できるここで、プロペラの音が鳴り響いた。大人の両腕幅ほどのプロペラ4個の付いた巨大なドローンが、公園の芝生から上空に浮上したのだ。ドローンが9メートルほど浮上すると、ドローンの操縦機に取り付けられた画面には、地上を撮影した様子がリアルタイムで現れた。保健所の職員が画面の照準点を確認して噴射ボタンを押すと、ドローンについたスプリンクラーから植物性殺虫剤が噴き出された。

●農業用ドローンを使って蚊を駆除

連日続く暑さで蚊が増えている中、ソウル市内の自治区では様々な方法で蚊の駆除に乗り出している。先端技術を活用した防疫から、直接出向く防疫を運営する所まで、夏場を控えて「蚊との戦い」を繰り広げている。

ソウル江南区は、ソウル市内の自治区の中では初めて、ドローンを活用して防疫を行っている。車と人が入りにくい地域を、効果的に防疫するためだ。江南区の関係者は、「ドローンは、河川沿いと登山路の斜面など人が近づきがたい防疫死角地帯に対し、迅速なターゲット防疫が可能だ」とし、「蚊の駆除はもちろん、大雨による水因性感染症の予防が必要な地域と鳥インフルエンザ(AI)の発生地域を効果的に駆除できるので導入することになった」と説明した。

同日、三成日の出公園では、ドローンの操縦資格のある江南区保健所の職員が現場で防疫を行った。市内の展望スポットとして浮上したことで住民の訪問が増えたが、蚊が多いという苦情が絶えなかった。ドローンは、公園に設置されたフェンス越しに樹木の茂った断崖の上まで飛んで殺虫剤を噴射した。江南区の関係者は、「ドローン防疫に使われる殺虫剤は、『ピレトリン』という環境にやさしい植物性殺虫剤で、肌に触れても有害ではない」と説明した。区によると、このドローンは一度に40リットルの薬品を搭載して10分間飛行が可能で、1分に最大10~12リットルの薬品を散布できる。区では10月まで毎週2回、河川や公園などを中心にドローンによる防疫を行う予定だ。

●メールで住所を送れば「出向く防疫」も

ソウル市の蚊の予報制によると、ソウル市の平均蚊の活動指数は、2日から18日まで、2週間以上最も高い100を記録している。これは蚊の予報制で最も高い段階である4段階(不快)に当たる。ソウル市の関係者は、「今年は昨年と違って、早春から雨がたくさん降って気温もずっと高く、コガタアカイエカが昨年より20日ほど早く発生するなど、蚊の出現時期と生息環境も変わっている」と話した。

蚊による不便を解消するため、他の自治区も防除作業に拍車をかけている。中区(チュング)は今年から、「訪ねる蚊防疫疎通フォン」の運営を開始した。下水道や雨どいなど、蚊の主要生息地に防疫消毒が必要であれば、申請者の名前と住所を携帯メールで送れば防疫消毒を申請できる。

銅雀区(トンジャクク)では、「防疫機動班」を既存の2チームから3チームに拡大し、路地の隅々を回りながら防疫する「トゥボギ防疫団」を新規運営し、車の入りにくい死角地帯を集中的に防疫する。また、区民が参加する洞別自主防疫団を運営し、月2回自主的に路地や苦情多発地域などを中心に消毒を行っている。


チョン・ヘジン記者 sunrise@donga.com