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医師団体が今回は勝てない理由

Posted June. 22, 2024 08:51,   

Updated June. 22, 2024 08:51

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ソウル大学医学部・病院の教授らは、17日から始まった無期限休診を5日ぶりに中断することにし、大韓医師協会(医協)が公言した「27日からの無期限休診」も内部反発で失敗に終わる可能性が高くなっている。大韓医師協会が主導した18日の一日休診の町内病院の参加率は、4年前の半分にも及ばなかった。医師団体の内部からも、「これ以上は戦いにくい」という言葉が出ている。2014年と2020年の全面闘争で政府を挫折させた医師団体が、今回はなぜこのように苦戦するのか。

孫子は、孫子の兵法で、戦争の勝負を決める5つの要素は道、天、地、将、法だと言った。

最も重要な「道」は、戦争の大義名分だ。2000人という数字に対する異見はあり得るが、主要国が高齢化とともに医師数を増やしてきただけに、韓国も27年ぶりに医師を増やさなければならないという政府の大義名分は分かりやすく明らかだった。だが、医師団体は、「原点での再検討」を叫ぶだけで、増員賛成か反対かさえ意見を整理できず、それぞれの理由に対しても、今まで国民が納得できる説明を出すことができなかった。

次に「天」は、天時、すなわち外部環境の変化だ。政府は、コロナ禍の拡散期だった2020年、医学部で400人を増員しようとしたが失敗した。国民は、保健医療の危機的状況で、あえて医師が反対する政策をなぜしなければならないのかと、政府に尋ねた。しかし、その後、「救急救命室でのたらいまわし」と「小児科オープンラン」が日常化され、国民は医師増員の必要性を肌で感じるようになった。医師たちはこのような変化を理解できず、小児科オープンランの原因は若い母親たちの「ブランチタイム」のためだというなどの発言で世論の反発を買った。

「地」は、自分の強みと弱点を知り、地形地物を適切に活用することだ。医師の力は、国民の生命を扱うことができる免許を独占していることから出ている。そのため、医師集団の休診によって生じた医療空白を解決する主体も医師だけで、結局、医師が持ちこたえれば政府が退くパターンが繰り返された。政府は過去の失敗を勘案して、診療支援(PA)看護師の投入などの代案を用意し、5月末、大学随時募集要綱の公告で受験生と保護者を同じ船に乗せ、退くことのできない背水の陣を作った。振り返ってみると、医師たちが自分たちの強みを最大限発揮できた時期は4月の総選挙直前であり、最後に発揮できた時期は5月末の募集要綱公告直前だった。

「将」は、知恵(智)、信(信頼)、善良(仁)、勇気(勇)、厳しさ(嚴)を兼ね備えた将軍だ。法定団体医協のイム・ヒョンテク会長は、非妥協的・奇襲的ゲリラ戦術で会長になったが、14万人の医師のリーダーとして統合的リーダーシップは示せなかった。専攻医(インターン、レジデント)代表とも対立を表出し、専攻医復帰が目標の政府が医協を相手にしないようにした。病院を離れた後、横になっていることに一貫する専攻医代表、「家族のような専攻医が出たのに、患者の治療をするのは天倫を裏切ることだ」として、病院を離れた医学部教授も徳があるとは言い難い。

最後に、「法」は組織を管理し、普及網を維持するマネジメント能力である。だが、今年2月に専攻医が離れた後、医師団体の4ヶ月間は、内部では分裂と不信、独善と批判が繰り返される「四分五裂」そのものだった。

医師の一部は、筆者の文を見て「まだ終わっていない」「もっと耐えれば勝てる」と言うかもしれない。しかし、戦争の勝負を決定付ける5つの要素のうち、どれ一つ優位を占めることができない状況となっている。これ以上戦いを続けても、戦勢を覆すのは難しいという考えは、筆者だけではないだろう。