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1ヵ月で変わった尹大統領の「確固たる方針」、大韓民国「レッドライン外交」精緻化しなければ

1ヵ月で変わった尹大統領の「確固たる方針」、大韓民国「レッドライン外交」精緻化しなければ

Posted June. 24, 2024 08:38,   

Updated June. 24, 2024 08:38

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張虎鎮(チャン・ホジン)国家安全保障室長が23日、ウクライナに対する兵器支援方針の再検討と関連して、「ロシアが高度な精密兵器を北朝鮮に提供するなら、私たちにこれ以上の何のラインがあるだろうか」と述べた。ロシアが北朝鮮に核・ミサイル関連の先端兵器を提供する場合、韓国政府も制限なくウクライナに殺傷兵器を支援する可能性があるという警告だ。張氏は、今後の韓ロ関係に関しても、「韓国だけが管理するのではなく、ロシアも相応の努力をしなければならない」と強調した。

先週、ロシアのプーチン大統領の北朝鮮訪問を機に、朝ロ同盟関係が事実上復元され、韓ロ間の相互レッドライン(禁止線)をめぐる激しい外交戦が繰り広げられている。予想を上回る朝ロの接近を受け、韓国政府はウクライナに殺傷兵器を供与しないという方針を再検討するという強力な対応を発表した。これに対し、プーチン氏が再び韓国に「大きな過ちになるだろう」と警告し、対立の波はますます高まっている。

実際、韓国政府は昨年2月のロシアのウクライナ侵攻以来、殺傷兵器供与不可の方針を一貫して明らかにしてきた。むろん、兵器支援の可能性を示唆した尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の海外記者会見にロシア側が反発したり、米軍の弾薬庫を補充するという迂回支援をめぐって論争が起きたりした。しかし、尹大統領は先月の記者会見で、「攻撃用の殺傷兵器はどこにも供与しないという確固たる方針」を確認し、これに対し、プーチン氏は今月初めに「非常に感謝する」と友好的な発言をした。

このように、相互のレッドライン順守という共感を形成していた韓ロ関係が、わずか1ヵ月も経たないうちに厳しい警告と脅威が交わされる状況になったのは、ロシア側の責任と言わざるを得ない。北朝鮮とコンテナ1万個分の「危険な取引」を行ったロシアは、今回は完全に同盟レベルの緊密さをアピールし、それに反発する韓国政府に警告までした。半月前のプーチン氏の融和的なメッセージは、結局、韓国の裏をかくための欺瞞であったことが明らかになったのだ。

ただ、その過程で韓国政府も安易に判断したのではないかと反省しなければならない。そのような情報の失敗を埋め合わせようとして、大統領が明らかにした「確固たる方針」を1ヵ月で覆すという強手を打ったのではないかという指摘も痛切に受け止めなければならない。今、韓国とロシアは鋭く対立しているが、関係の破綻を望まない以上、「レッドライン外交」は続くだろう。今後のグローバル情勢とウクライナの戦況、北朝鮮の核状況によって、韓国の戦略はもとよりレッドライン自体も変わる可能性がある。韓国の外交はさらに洗練されなければならない。