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「このままの佐渡鉱山」は歴史侮辱だ

Posted June. 24, 2024 08:38,   

Updated June. 24, 2024 08:38

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新潟県には、「佐渡を世界遺産にする会」という団体がある。民間組織だが佐渡鉱山の世界文化遺産への登録のために様々なPR活動を行う事実上の官辺団体だ。ここは昨年、登録キャンペーンのため、2分10秒分量の応援曲と動画を公開した。耳に残る楽しいメロディーに、「熱く燃えている心、必ずその夢を叶える。世界に知らせたい世界遺産」という歌詞を盛り込んでいる。かわいいキャラクターが登場するアニメーションのプロモーションビデオや、佐渡鉱山前で若い男女がはつらつと踊るショーツ映像もある。地元住民の興をそそるかは分からないが、日本による植民地時代の強制労働の歴史を少しでも知っている韓国人が見れば、不快感を越えて侮辱感さえ感じる。

歌とプロモーションビデオを作り、映像に出演した若者たちは、新潟県所在の2年制専門大学「K-POPエンターテインメント科」の学生たちだ。この大学は該当会からの依頼を受けて制作した音楽と映像を知らせる報道資料を配布しながら、「全国でK-POPを学びたい学生たちが集まった学校」という広報文句まで入れた。韓国に好感を持ち、K-POPが好きな日本の若者が、歴史歪曲に参加する(あるいは利用される)姿をどう理解すればいいのか。歴史の隠蔽を行う日本政府を非難すべきなのか、歴史を学べなかった無知な若者たちを非難すべきなのか、紛らわしいほどだ。

誇らしい歴史だけを表に出して暗い歴史を隠すことは、日本の長年の手口だ。日本政府は2015年、軍艦島(端島)の海底炭鉱の世界遺産への登録の際も、「犠牲者を称えるための措置」を約束した。だが、「産業遺産情報センター」は、軍艦島から1000キロ離れた東京の真ん中に建設され、それさえも朝鮮人差別や人権侵害の事実はまともに記録さえしなかった。

日本政府は、「犠牲者を称えると言ったが、必ずしも現場で反省すると約束したわけではない」と言えるだろう。しかし、まさにそのような態度のため、ユネスコ諮問機関のイコモス(ICOMOS)は、佐渡鉱山に対し登録見合わせの勧告を出しながら、「すべての期間(all periods)の全体の歴史(whole history)を、現場(at the site level)で徹底的に(comprehensively)開発すること」を明示した。イコモスが今年評価した世界遺産の候補地36ヵ所のうち、このような内容で勧告を下したのは佐渡鉱山だけだ。このように明確に記載しなければ、何とかして小細工を弄し、結局歴史を歪曲してしまうことを、エコモスも知っているという意味だ。

歴史を記録して称えることがどんな意味なのか、日本ほどよく知っている国はない。佐渡鉱山の入口には、「無宿人の墓」という墓碑がある。江戸時代に家も戸籍もなく、大都市で流浪者として暮らし、連れてこられて坑内で命を失った人々を称える追悼碑だ。ホームレスや居住不明者に近い人々にさえ碑石を建て、毎年魂を慰めているのが日本だ。そのような国が戦争を起こし、強制に連行された朝鮮人は名簿すら公開しない。

佐渡鉱山の登録に命運をかけた新潟県は22日、「世界遺産への登録に向けた県民会議総会」という官辺行事を開き、「長い念願の実現が、目の前に迫っている」と官民の総力結集を叫んだ。国際機関の勧告には背を向け、団結大会のみ熱心に開きながら、自分たちが提出した申請書どおりに世界遺産に登録されなければならないと声を高めている。歴史に少なくとも誠意さえ示さない国と、何の友好を論じ、関係改善を図ることができるだろうか。反省までは期待もしない。事実を記録せよという国際社会の要請でも、きちんと履行することを願う。