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「HBM3位」米マイクロンが生産基地を拡充、SKと三星は「追撃阻止」で供給拡大に拍車

「HBM3位」米マイクロンが生産基地を拡充、SKと三星は「追撃阻止」で供給拡大に拍車

Posted June. 24, 2024 08:38,   

Updated June. 24, 2024 08:38

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三星(サムスン)電子やSKハイニックスと共に、世界の3大メモリ起業である米マイクロンが、米国や台湾、日本、東南アジアなどに高帯域幅メモリ(HBM)の生産基地の拡充に乗り出す。人工知能(AI)市場の拡大により、高性能メモリであるHBMの需要が急増すると、いち早く生産量の拡大に乗り出している。昨年までは、マイクロンのHBMの市場シェアは5%内外で微々たるものだったが、最近攻撃的な投資に乗り出しており、AI市場での三星とSKの立地が期待より減りかねないという危機論まで出ている。

23日、日経アジアによると、マイクロンはマレーシア工場をHBM生産基地に見直す案を検討しているという。マイクロンは、マレーシア工場をテスト(検査)およびパッケージング(組み立て)などの後工程基地として運営してきたが、一部をHBM専用ラインに切り替えるという。

HBMとは、複数のDラムを垂直に積み上げ、データの処理速度を画期的に引き上げたメモリ装置だ。業界の関係者は、「HBMは、Dラム間の結合をどれほど精巧にできるかが重要であり、前工程に劣らぬほど後工程が重要だ」とし、「このため、後工程を担当していたマレーシア工場を転換することは効率的な戦略だ」と評した。

マイクロンは、自社の最大のHBM生産基地である台湾の台中でも増設を推進しているという。主要研究開発(R&D)拠点である米アイダホ州の本社では、HBMの研究人材と施設の拡大に拍車をかけている。2027年の本格的な稼動を目標に建設している日本の広島工場でも、HBM用Dラムを集中的に生産する計画だ。

マイクロンは、三星電子やSKハイニックスに比べて、HBMの後発走者だったが、今年2月、真っ先にエヌビディア向けの第4世代HBM(HBM3E)の量産を開始したと明らかにして、業界を驚かせた。直ちにSKハイニックスは「世界初の量産は私たちだ」と対抗したが、業界はマイクロンがNVIDIAへの納入に成功したことだけでも脅威だと評価した。

マイクロンは、5%程度の市場シェアを来年は20~25%にまで引き上げるという目標を明らかにしている。HBMが全体Dラム市場で占める割合は、昨年の8%から今年は21%、来年は30%以上に拡大すると予想されるだけに、攻撃的な投資で逆転に乗り出すという。

ただ、韓国国内半導体業界からは、マイクロンが最近増設に入った工場は、来年または再来年に本格的な稼動に入ると予想されるだけに、シェアの格差を急速に縮めることは難しいという分析も出ている。業界によると、三星電子やSKハイニックスのHBMの生産量はマイクロンの6倍の水準で、差が大きい。マイクロンは、収率など品質面で完全に検証されていないという指摘もある。

三星電子とSKハイニックスも主導権争いで負けないため、生産量の拡大に乗り出している。三星電子は今年、HBMの供給規模を前年比3倍に増やし、来年も2倍以上に拡大する計画だ。SKハイニックスは、来年末に完成予定の忠清北道清州(チュンチョンプクト・チョンジュ)のM15X工場で、HBMなどDラムを集中的に生産する方針だ。

一方、一部からは、HBMの供給過剰の可能性も提起されている。韓国投資証券のチェ・ミンスク研究員は、「三星電子が第3四半期(7~9月)中にNVIDIAからの認証を完了し、設備拡張と収率改善をしていくならば、2025年下半期(7~12月)からは供給過剰になることもありうる」と分析した。


パク・ヒョンイク記者 beepark@donga.com