ロシアのプーチン大統領(写真)が、北朝鮮とベトナムを相次いで訪問した直後、「核の3本柱」の開発を続ける考えを明らかにした。ロシアが保有する使用可能な核弾頭数は今年1月現在4380発で、米国より600発以上多い。世界最大の核保有国であるにもかかわらず、「力の均衡」を大義名分に掲げ、核開発の意志を強く表わしたのだ。
プーチン氏は21日(現地時間)、モスクワのクレムリンで軍大学校の卒業生らを前に演説し、「世界における戦力バランスを維持し、戦略的抑止力を確保するために『核の3本柱』のさらなる開発を続ける計画」と述べた。「核の3本柱」とは、陸海空で核弾頭を発射できる大陸間弾道ミサイル(ICBM)、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)、戦略爆撃機を指す。
スウェーデンのシンクタンク、ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)が16日に公開した2024年度世界核武装年鑑によると、ロシアは世界1位の核武装国であり、全世界の核弾頭在庫量1万2121発のうち5580発を保有している。使用可能な核弾頭数は4380発だ。米国が保有する核弾頭の総量は5044発で、このうち3708発が使用可能な弾頭と集計された。
プーチン氏は20日、アジア歴訪を終えて開いた記者会見で、「潜在的な敵が核使用の基準の引き下げに関連する新しい要素を研究している」とし、「核兵器の使用条件を規定した『核教義』の修正を検討している」と発言した。現在、ロシアの核教義は、核兵器攻撃への対応や、国家存立を脅かす通常兵器攻撃への対応の際に核兵器を使用できるという内容を含んでいる。ただ、「先制核攻撃条項は入れる必要はない」と線を引いた。
プーチン氏は、米国中心の西側安全保障同盟である北大西洋条約機構(NATO)に対抗する「ユーラシア安全保障体系」の創設構想も進めている。プーチン氏は21日、軍大学校の卒業生らに対し、「欧州連合(EU)とNATOを含むすべての側とユーラシアの平等で不可分な安全保障問題を協議する考えがある」と言及した。今月14日、「ユーラシアで外国駐留軍を徐々に減らしていき、2国間・多国間集団安全保障システムに関する議論を始める時だ」と主張した。
キム・ボラ記者 purple@donga.com