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「50度の殺人的な暑さ」メッカ巡礼で1300人死亡

「50度の殺人的な暑さ」メッカ巡礼で1300人死亡

Posted June. 25, 2024 08:37,   

Updated June. 25, 2024 08:37

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サウジアラビアのメッカで行われたイスラム教最大の聖地巡礼行事「ハッジ」で、熱中症などによる死亡者が1300人を超えた。昼間の最高気温が50度を超える「殺人的な暑さ」が続く中、冷房設備のある施設や避難所を利用できない低所得の未登録外国人巡礼者に被害が集中した。違法ブローカーや仲介業者などが横行するハッジの地下経済も批判を受けている。

サウジアラビアのジャラジェル保健相は24日、国営テレビに出演し、14~19日に行われたハッジの期間中、「1301人が熱中症などで死亡した」と明らかにした。今回のハッジの死亡者に関する公式集計が公開されたのは初めて。サウジアラビア国立気象センターによると、今回のハッジの期間中、メッカの気温は一時最高51.8度まで上昇し、依然として熱中症を訴える人が多く、死亡者はさらに増える可能性がある。

毎年イスラム暦12月7~12日に行われるハッジは、イスラム教徒の5大義務の一つとされている。一生に一度は必ずイスラム教発祥の地であるメッカとメディナを訪れなければならない。そのため、宗教的義務を果たすために長距離を歩いてきた海外の入国無許可の巡礼者も多い。当局は、死亡者の83%が無許可の巡礼者であり、多くはエジプト国籍だと付け加えた。

サウジアラビア政府の公式許可を受けた巡礼者の場合、冷房完備のワゴン車やバスなどで移動し、休憩時にもエアコンが稼働するテントの中にいることができる。しかし、死亡者の大半は、適切な避難所や休憩もなく、炎天下で長距離を徒歩で移動し、何時間も祈りを捧げたりしていたという。

未登録の巡礼を選択せざるを得なかったのは経済的な理由からだ。米紙ニューヨーク・タイムズによると、ハッジの公式旅行パッケージは巡礼者の出身国によって5千~1万ドルに達するという。経済状況が悪化したエジプト、ヨルダンなどの巡礼者にとっては厳しい水準だ。そのため、より安い費用で公式ビザなしで密入国させる代理店やブローカーなどを利用することになる。あるエジプトの巡礼者は同紙に「両親の巡礼のために2千ドルを(無許可)代理店に支払った」と明らかにした。

死亡者が集中したエジプトのマドブーリー首相は、「未登録巡礼者の旅行を手伝った代理店、ブローカーを調査する」と明らかにした。


カイロ=キム・ギユン特派員 pep@donga.com