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濃厚になった「トランプ大勢論」、北核・投資リスクが大きくなった

濃厚になった「トランプ大勢論」、北核・投資リスクが大きくなった

Posted July. 01, 2024 08:19,   

Updated July. 01, 2024 08:19

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先週の米大統領候補間の第1回大統領選テレビ討論会で、ワシントンだけでなく全世界が混乱に陥った。高齢のバイデン大統領が論理的な討論ができないことを目の当たりにし、民主党内部から候補差し替えの声が起こった。イギリス、フランスなど欧州主要国のメディアも概ね候補の差し替えは避けられないと主張した。今年初めにトランプ前米大統領が優勢だった選挙情勢は、最近になって僅差の流れだったが、今は「トランプ大勢論」が固まった。

トランプ氏の再選の可能性が高まったことは、今後4年間の韓米同盟に大きな変化を予告する。トランプ氏は、政権1期の時と同様、韓米同盟を取引と交渉の対象と見るだろう。トランプ氏は1ヵ月前のタイム誌のインタビューで、「なぜ韓国のような豊かな国を米国の税金で守るのか」と述べた。トランプ政権は、現在2万8500人の在韓米軍の規模をさらに削減し、韓国が負担する年間1兆2千億ウォン規模の在韓米軍駐留経費を大幅に引き上げるよう要求すると予想される。米国が「拡大抑止」と呼ぶ「核の傘」の提供は続けるが、通常兵器防衛は韓国が解決しなければならないという新たな原則をトランプ陣営は掲げてきた。

トランプ氏は再選後、再び北朝鮮核交渉に乗り出す可能性がある。2019年のハノイ会談は、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記が寧辺(ヨンビョン)など一部の核施設の放棄と引き換えに完全な経済制裁の中断を要求したため決裂した。最近、トランプ陣営の核心参謀たちは、「北朝鮮が核廃棄ではなく凍結に踏み切るだけで制裁を解除する」という交渉の可能性を挙げている。テレビ討論後、このようなトランプ発の安全保障リスクはさらに大きくなった。

トランプ氏が、「任期初日に電気自動車補助金廃止の大統領令に署名する」と公言したことも、その影響は計り知れない。この発言は、内燃機関自動車より部品が40%少ない電気自動車が市場を主導する場合に雇用の脅威を感じるミシガン州の労働者のためのものだった。その点を考慮しても、バイデン氏のインフレ抑制法(IRA)に合わせて、米国に莫大な投資をしてきた韓国の自動車、バッテリー企業の投資戦略に不確実性が高まった。

トランプ氏の4年間を経験した国際社会は、トランプ氏の復帰の可能性が高まったことで緊張している。第1期政権の時に中心を握っていた優秀な参謀たちは多くが去った。トランプ2期が同盟に亀裂を入れ、北朝鮮と妥協し、韓国産業の基盤を揺るがす大混乱は想像するだけでゾッとする。結局、来るべき現実に備えるしかない。バイデン政権と協力するとともに、トランプ氏に韓国の理解と現実を納得させなければならない。非常な覚悟でトランプ2期を静かに備える必要がある。