Go to contents

惨事現場のガードレール、市民保護ではなく無断歩道防止用

惨事現場のガードレール、市民保護ではなく無断歩道防止用

Posted July. 04, 2024 08:51,   

Updated July. 04, 2024 08:51

한국어

1日に発生したソウル市庁駅逆走事故当時、犠牲者と加害車両の間にあった歩道脇の防護柵(ガードレール)が、車両事故から歩行者を保護する目的で設置されていなかったことが確認された。このガードレールは、単なる無断横断や自転車の転倒防止用だった。性能が脆弱なため、そもそも歩行者保護の役割を果たせなかったと指摘されている。

3日、ソウル中区によると、当該ガードレールは2012年に設置された。現行法によると、ガードレールは「車両防護用」と「歩行者用」に分けられる。交差点、高速道路などに設置されるのは車両防護用だ。車両衝突試験を行い、一定の性能基準を満たさなければならない。一方、事故が発生した市庁駅周辺の歩道に設置されている歩行者用は、車両衝突性能試験を受けていない。歩行者が無断横断したり自転車が道路に転倒したりすることを防ぐ目的だからだ。そのため、ガードレールの上部は1メートル当たり10キログラム、側面は1メートル当たり37キログラムの荷重に耐えられるようにしか設計されていない。現場の防犯カメラを見ると、加害車両は一瞬にしてガードレールを壊して市民を襲った。

専門家らは、歩行者用にも車両の衝突に耐えられるように強化する必要があると忠告する。オーストラリアでは来年1月1日からすべての道路に新しい防護壁を設置する場合、MASH3等級(TL3)以上を満たすようにした。TL3等級を獲得するには、重量2270キログラムの車両が時速100キロメートルで衝突しても耐えられなければならない。加害者が運転していたジェネシスG80は空車重量が1930キログラムで、時速100キロメートルで逆走した。

もう少し頑丈なガードレールがあれば被害を減らすことができたと指摘される理由だ。サムスン交通安全文化研究所のチョン・ジョンハン主任研究員は、「現地の歩行者用ガードレールは、車が衝突した時、飴の棒のように曲がるしかない。最低時速30キロメートルの衝撃には耐えられるように耐久性の基準を強化しなければならない」と話した。


イ・チェワン記者 チュ・ヒョンウ記者 chaewani@donga.com