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金愛蘭、キム・ヨンス、ユン・ソンヒ、殷熙耕、片恵英...「音楽」で一つになった5人の文筆家

金愛蘭、キム・ヨンス、ユン・ソンヒ、殷熙耕、片恵英...「音楽」で一つになった5人の文筆家

Posted July. 05, 2024 08:34,   

Updated July. 05, 2024 08:34

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「私は毎晩、私の膝枕で眠るお母さんに子守唄を歌ってあげる。私が幼い頃、お母さんが私にそうしてくれたように」

学校が終わって家に帰る道。「私」は信号機の青信号が数秒しか残っていない横断歩道を渡り、トラックにはねられて死ぬ。娘の葬儀が終わり、不眠症になった母親のために、私は母親の夢の中に入り、子守唄を歌ってあげる。子守唄とは誰かを深く愛する音楽であることを作家は気づかせてくれる。

音楽を題材にした5編の短編小説集「音楽小説集」(フランツ)に掲載されたユン・ソンヒ氏の「子守唄」の一部だ。作曲家フランツ・シューベルト(1797~1828)の名を冠した音楽専門出版社フランツが企画したこの作品集には、金愛蘭(キム・エラン)、キム・ヨンス、ユン・ソンヒ、殷熙耕(ウン・ヒギョン)、片恵英(ヒョン・ヘヨン)氏ら5人の小説家が参加した。

「音楽」というテーマを共有し、それぞれが自由に書き下ろした5つの作品で、作家の個性と同じくらい多様な物語に出会うことができる。各作品は、人生で予期せぬ別れや死に直面したとき、その時間をどう乗り切るかについてのそれぞれの回答のように読むことができる。

本の最後には、作家と編集者によるインタビューも掲載されている。殷氏は、「何か質問をして、それについて調べようという気持ちで小説を書く」とし、「音楽も一度入って覗いてみたい世界だった」と話した。金氏は、「一緒に参加した作家の名前を見てとてもうれしかった」とし、「本棚を開くと5つの音楽が流れる『メロディカード』として残るだろう」と話した。

ある曲が再生される数分余りの間、私たちの中の感情はいつにも増して増幅されることがある。5つの小説と共にする時間は、人生で経験する強烈な瞬間を立体的に感じる機会になるだろう。


キム・ソミン記者 somin@donga.com