ゴルフは2016年リオデジャネイロ五輪で112年ぶりに五輪競技として復活した。当時、歴史的な1番ホールの初ティーショットを担当したのが安秉勲(アン・ビョンフン、33)だった。
安秉勲は卓球スターの安宰亨(アン・ジェヒョン)前韓国卓球代表監督(59)と中国代表だった焦志敏(ジャオズミン)氏(61)の息子だ。安宰亨氏は1988年ソウル五輪卓球男子ダブルスで銅メダルを、焦志敏氏は同大会女子ダブルスで銀メダルと銅メダルを獲得した。大会組織委は象徴的な初ティーショットを、オリンピアン夫婦の息子である安秉勲に任せた。安秉勳はリオ五輪で11位タイにつけた。
来月開幕するパリ五輪に出場する安秉勲の目標はメダル獲得だ。「お母さんとお父さんの後を継いで五輪メダルを首にかけたい」と話してきた安秉勲は9日、韓国メディアとのオンラインインタビューでも「簡単ではないけど必ずメダルが取りたい。プレッシャーを感じずに自分のゴルフに集中すれば、十分メダルの近くまで行けるだろう」と話した。また「五輪は3位内に入らなければ何の意味もない」とし、「72ホールをうまく回ることが大事。チャンスが訪れたホールではバーディーを狙い、安全に運ばなければならないホールでは安全に打つ」と付け加えた。
五輪男子ゴルフは8月1日から4日間、パリ近くのル・ゴルフ・ナショナルで開かれる。9年前の2015年、同会場で行われた全仏オープンに出場したことのある安秉勲は、「その時以降は一度もプレーしたことがない。簡単ではないコースだったことを覚えている。現地に行って早く適応することが重要だ」と話した。
8年前と違い、今度は心強い支援軍も参加する。安・焦夫婦が直接フランスに飛んできて息子を応援する。リオ五輪当時、韓国卓球女子代表監督を務めていたため、息子の競技場を訪れることができなかった安宰亨氏は、「あの時に残せなかった記念写真を今回撮ろうと思っている」とし、「どうせなら秉勲がメダルを取った後、家族みんなで一緒に祝いたい」と話した。
プロ生活を欧州2部ツアーで始めた安秉勲は、「欧州のゴルフ場に慣れている。DPワールドツアー(旧欧州ツアー)で5年以上プレーし、2015年にはDPワールドツアーのメジャー戦、BMW選手権で優勝カップも持ち上げた。
五輪メダルに向けた初舞台は、11日から英スコットランド・ノースベリックのザ・ルネサンスクラブ(パー70)で開かれるジェネシス・スコティッシュ・オープンだ。米男子ツアー(PGA)とDPワールドツアーが共催する昨年大会で、安秉勲は3位タイに入り、メジャー戦の全英オープン出場権を獲得した。安秉勲は以後、善戦を続け、2022年末現在231位だった世界ランキングを2023年末には60位まで引き上げた。
10日現在、世界ランキング30位の安秉勲は、「(海辺に位置する)リンクスコースが好きな方なので、今年も自信がある」とし、「今大会をうまく終えた後、続く全英オープンとパリ五輪、そしてPGAツアープレーオフまでしっかり準備したい」と話した。安宰亨氏もやはり「秉勲が今年の優勝はないが、トップ10に5回も入るなど一層安定したプレーを見せている」と話した。
李憲宰 uni@donga.com