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韓銀が基準金利を1年半据え置き、まだ忍耐がもっと必要だ

韓銀が基準金利を1年半据え置き、まだ忍耐がもっと必要だ

Posted July. 12, 2024 08:43,   

Updated July. 12, 2024 08:43

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韓国銀行(韓銀)の金融通貨委員会(金通委)は昨日、年3.5%の基準金利をそのまま維持することを決めた。昨年1月以降12回連続、期間としては1年6ヵ月間の過去最長の据え置きとなる。物価上昇の勢いは減速したが、家計負債と住宅価格、為替相場などを考慮して通貨緊縮の基調を維持したものと見られる。だが、通貨政策の方向性決定文に、「基準金利の引き下げの時期などを検討していく」という表現が初めて登場し、通貨政策の転換の可能性を残しておいたという解釈が出ている。

韓国銀行の李昌鏞(イ・チャンヨン)総裁は昨日の懇談会で、今後の通貨政策の方向性と関連し、「車線を変えて、適切な時期に方向性を転換する状況は造成されている」と話した。金通委員2人は、今後3ヵ月以内に金利引き下げの可能性を開いておくべきだという意見を明らかにした。先月の消費者物価の上昇率が2.4%で、3ヶ月連続で2%台を続けており、物価だけを見れば金利引き下げを論じる時点になったという。

しかし、通貨政策の方向性変更について話すには、まだ生半可な側面がある。米連邦準備制度(FRB)が利下げに踏み切る可能性は大きくなっているが、米国との金利格差が史上最大の2%ポイントに広がっている状況で、韓国が米国より先に下げる理由はない。ウォン相場は4月に1ドル=1400ウォン台までウォン安ドル高が進んだのに続き、最近も依然として1ドル=1380ウォン台前後で推移している。ドル高の状況で金利引き下げを急いだ結果、ウォン安が進めば、ややもすれば物価を再び引き上げることができる。

急増する家計負債と尋常でない住宅価格の上昇傾向も不安要素となっている。先月末基準の預金銀行の家計向け融資の残高は、昨年末より20兆5000億ウォン増の1115兆5000億ウォンと集計された。今年上半期の家計向け融資の増加幅は、昨年上半期の5倍に達している。ソウルのマンション価格が16週連続で上昇するなど、ソウルと首都圏を中心に住宅価格も上昇している。このような状況で、市場に誤って金利引き下げのシグナルを与えれば、家計負債の急増と住宅価格の上昇を煽る危険性がある。

もちろん、金利高の長期化による副作用と疲労感は無視できない。金利高の影響で内需回復が遅れ、企業各社は、資金難が加重される側面がある。これを受け、政府や与党、韓国開発研究院(KDI)までが乗り出して、韓銀を圧迫し、金利引下げの火をつけている。しかし、生半可な金利引き下げがもたらす後遺症はさらに大きい可能性があることを念頭に置かなければならない。今は物価と経済状況を総合的に検討しながら、一貫して慎重な通貨政策を継続しなければならない時だ。まだ忍耐がもっと必要だ。