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Kバッテリーが直面した「初の危機」、政府支援なしでは乗り越えられない

Kバッテリーが直面した「初の危機」、政府支援なしでは乗り越えられない

Posted July. 18, 2024 09:02,   

Updated July. 18, 2024 09:02

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2010年代は電気自動車(EV)市場の胎動期だった。10年に発売された世界初の量産型電気自動車である日産の「リーフ」は、14年に韓国でも発売されたが、1回の充電後の走行可能距離は132キロにすぎなかった。専門家たちは電気自動車に対する期待と疑問を同時に抱き、そのため日本のトヨタはハイブリッド車(HEV)に、ドイツのメルセデスベンツはプラグインハイブリッド車(PHEV)に集中した。

しかし、電気自動車の普及速度は思ったより速かった。テスラの「モデルS」は、「電気自動車=小型車」という認識を打ち破り、高級電気自動車市場の門戸を開いた。各国政府は環境を守るという名目で先を争って補助金を支給し、充電インフラも普及した。最近、起亜(キア)自動車が発表した「EV3」は1回の充電で最大走行距離が501キロにまでなるほど技術も進歩した。

そんな電気自動車市場が今年、キャズム(普及前の溝)に直面した。電気自動車は補助金を受けても、同クラスの内燃機関車より依然として高価だ。購入する人(アーリーアダプター)はすでに購入し、内燃機関車と比較して効用性を重視する人は迷っている。昨冬、米国の寒波でバッテリーが放電して道端に停車している電気自動車の姿も影響を与えた。市場が低迷し、韓国内バッテリー業界は今年初めて売り上げが前年比で後退すると予想される。

むろん、長期的には電気自動車が「予定された未来」と見る専門家が多い。欧州連合(EU)と英国、カナダは炭素削減のため、2035年から内燃機関車の新車販売を禁止する。自動運転車の時代が来れば、数千の半導体がデータを処理する過程で膨大な量の電力を消費するため、大型バッテリーが必須であるという点も電気自動車への転換を加速させるだろう。技術の発展により、バッテリーの性能も向上するだろう。

完成車業界では、キャズムが26年まで続くという見通しが出ている。韓国のバッテリーメーカーにとっては、将来の春を迎えるまで、まずはこの峠を越えることが急務だ。競争国の追撃も激しい。中国を除くグローバル市場で、LGエネルギーソリューション、サムスンSDI、SKオンなどKバッテリー3社のシェアは、昨年50%線が崩壊した。今年1~5月基準では46.8%(SNEリサーチ)まで下がった。強力な内需市場と安価な原材料などに支えられた中国メーカーのシェアは速いスピードで上昇し、30%を超えた。

数十年にわたり好況と不況のサイクルを繰り返してきた半導体とは異なり、歴史の浅い電池産業は初めて経験する危機に苦戦している。バッテリー3社は、中国メーカーの得意分野である低コストのリン酸鉄リチウム(LFP)市場に挑戦しており、同時に技術格差を広げるため、全固体・半固体バッテリーを開発中だ

10~12日、東亜(トンア)日報は、「挑戦されるKバッテリー」シリーズを通じて、韓国と米国、EUのバッテリー支援策を点検した。1兆ウォン投資してバッテリー工場を建設する際、企業が受けることができる資金支援規模を比較したところ、米国では5年間3兆ウォンを超えるのに対し、EUは4千億ウォン、韓国は1200億ウォンにとどまった。高級人材に対する支援策は中国に後れを取っている。価格、技術、人材の競争力を急速に高めているライバル国に、主導権を明け渡すことになりそうだ。政府の合理的な支援は今や選択ではなく必須となった。