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MSクラウドのシステム障害で青くなった世界

MSクラウドのシステム障害で青くなった世界

Posted July. 22, 2024 08:48,   

Updated July. 22, 2024 08:48

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米マイクロソフト(MS)のクラウドサービスで19日発生したシステム障害で、世界中が情報技術(IT)の不通事態に見舞われている。米国やドイツ空港でが飛行機が足止めされ、英国やオーストラリアの証券取引所と放送会社などでは、コンピュータ画面が青く止まる「ブルースクリーン現象」が起きた。韓国国内でも、一部の格安航空会社(LCC)の発券に支障が生じた。完全復旧までに長いと数週間がかかるという。ITでつながった「超連結世界」の潜在的リスクが、赤裸々に明らかになった事件だ。

インターネットでつながった超大型データセンターに、ソフトウェアやデータを保存しておき、必要な時に取り寄せて使えるようにしたのがクラウドサービスだ。自社のシステムよりコストを削減できるのD、国内外の多くの企業が利用している。事故が発生したMSのクラウドサービスは、グローバル市場シェア25%で2位だ。1位は31%のアマゾン、3位は11%のグーグルで、米国の巨大IT企業が70%の市場を寡占している。

今回の事故は、MSクラウドのセキュリティを担当した米サイバーセキュリティ企業がソフトウェアをアップデートする過程で、MSのウィンドウズ運営体制と衝突して発生したという。クラウスサービスでウィンドウズを利用する企業や個人のコンピューター850万台余りに問題が生じたものと推定される。世界的に数万台の航空機の運航が取り消し、遅れるなど被害規模は引き続き大きくなっている。

ITへの依存度が世界最高水準の韓国にとって、今回の事故は示唆するところが大きい。一昨年、京畿道城南市(キョンギド・ソンナムシ)のデータセンターの火災で発生したカカオトークのメッセンジャーとカカオタクシーのシステム障害、昨年の地方行政コンピューター網の不通による苦情サービス中断の時と同様に、高度に集中したITシステムに問題が発生した事故であるためだ。極度に複雑になった大型IT体系を事故なしに安定的に運営することは、世界最高の企業にも難しいことであることが再び確認された。

今回のことを機に、政府と企業は過度な偏りによる情報通信インフラの脆弱性を再点検し、バックアップシステムを強化して、万一の事故に備えなければならない。米国のいくつかの巨大IT企業が主導する生成型人工知能(AI)産業が高度化するほど、同様の事故のリスクは大きくなるだろう。海外、それも特定企業に過度に依存しない「自主性」の確保がますます切実になるだろう。