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バイデン氏が大統領候補辞退、「トランプリスク」に「レイムダックリスク」まで

バイデン氏が大統領候補辞退、「トランプリスク」に「レイムダックリスク」まで

Posted July. 23, 2024 08:31,   

Updated July. 23, 2024 08:31

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今年11月の米大統領選挙で、共和党候補であるトランプ前大統領と対決する予定だったバイデン大統領が21日、民主党候補を辞退した。バイデン氏は、6月27日のトランプ氏とのテレビ討論会で精彩を欠き、激しい辞退要請を受けてきた。大統領選候補争いに勝って公式の指名手続きだけを残した現職大統領が再選挑戦を放棄するのは、米史上初めてのことだ。

バイデン氏は辞退発表と共に、ハリス副大統領を自身に代わる民主党大統領候補に支持すると宣言した。ハリス氏が推戴されるのか、オンライン投票方式で別の候補との予備選挙を経るのかは確定していない。ハリス氏もトランプ氏に後れを取っているが、バイデン氏よりは差が広がっていない。黒人やヒスパニックなど伝統的な民主党支持層が結集し、トランプ氏の当選を懸念する無党派層が戦略的な選択をすれば、トランプ氏と接戦になる可能性もある。

トランプ氏が当選した場合のリスクに先立って、当面は大統領選から離脱した現大統領のレイムダックを心配しなければならない。米国は、ロシアとウクライナの戦争、イスラエルとハマスの戦闘に介入しており、中国の台湾への脅威と北朝鮮のロシアとの密着も管理しなければならない。再選可能性が消えた任期末の現大統領は、自身の意欲も、相手が感じる影響力も低下するほかない。

韓国政府は、バイデン政権とともに心血を注いできた拡大抑止(核の傘)の制度化と関連して、「すでにプロセスで枠組みが組まれたため、大きく揺らぐことはないだろう」としながらも、「任務完了の難易度が多少高くなる可能性がある」と予想した。在韓米軍駐留経費の負担交渉に関しては、「米国は早期にしようとしたが、バイデン氏の候補辞退によって交渉に力がそがれる可能性がある」と懸念した。

選挙集会中に起こった銃撃をくぐり抜け、勢いに乗ったトランプ氏は、大統領になったかのように最近、ウクライナのゼレンスキー大統領と電話で終戦について話し合った。また、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記に、ニューヨーク・ヤンキースの試合の観戦を提案したことを公開し、北朝鮮との関係も再びトップダウン方式に回帰することを予告した。同盟国に対しては、保険料を支払わなければならないと迫っている。むろん、民主党の新候補が決まれば、状況はまたどう変わるか分からない。米大統領選挙の勝敗が決まるまで100日余り残っている。その間、「トランプリスク」に「レイムダックリスク」まで二重のリスクを賢く管理することが重要だ。