「午前中に電話が殺到しても実感がわかなかったが、私はもう聞くことができなくなったんだなという思いがして、ぱっと実感が湧きました」
歌手のパク・ハッキ氏は22日午後、金敏基(キム・ミンギ)の遺体安置処で記者に会って、このように話した。パク氏は、健康が悪化した金敏基に代わって、彼の近況と考えを外部に伝える「窓口」の役割をしてきた。パク氏は、「こんなに急に亡くなるとは思わなかった。もう少し生きると思っていた」とし、「一週間に一度ずつ連絡して安否を尋ねたが、これからはどうすれば良いのか」と戸惑った声で問い返した。
バンド「動物園」のパク・ギヨン氏は、走ってきたかのように汗を流して遺体安置処に現れた。彼は、「両親が亡くなったのと同様だ。いつかは見舞われることなのに、いざやってくると…」と言葉を濁した。フォークシンガーソングライターのクォン・ジンウォン氏は、「今年亡くなるとは思わなかった」と、涙を拭ったハンカチに顔を埋めた。このように22日午後、ソウル鍾路区(チョンノグ)のソウル大学病院に設けられた歌手金敏基の遺体安置処には哀悼の行列が続いた。
ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)上での弔意も相次いだ。歌手のイ・ジョクは、故人と一緒に撮った写真を掲載し、「兄貴、天国でビールを一杯飲んで安らいでください。私の英雄よ。ありがとうございました」と書いた。デュオ・ザ・クラシックのキム・グァンジンは、「大学時代に、様々な面で私たちを導いてくださった(故人の)音楽に感謝申し上げる」と書いた。故人が好んで訪ねてきた大学路(テハクロ)の「学林(ハクリム)茶房」の社長イ・チュンヨル氏は、「一ヶ月前に一山(イルサン)の自宅で会った時は、息子さんたちと散歩もし、顔色も良かった」と残念がった。
尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は22日、フェイスブックに「歴史は、先生を芸術と世の中に対する無限の愛情を持った永遠な青年として記憶されるだろう」とし、「当然なことを新しく見ようとする『純粋な情熱』で、世の中をさらに明るくさせた」と哀悼した。
葬儀は、香典や供花なしで行われる。ハクジョン側は、「すべての方々が、先生を応援するために、十匙一飯でたくさん助けて下さっており、六道銭もたくさん用意されただろう」と話した。これまで経営が苦しかったハクジョンに向かっていた様々な寄付金を、「弔慰金をあらかじめ受け取ったもの」と考えるという。
サ・ジウォン記者 ファン・ヒョンジュン記者 4g1@donga.com